国立大学法人 岡山大学

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ワークショップ「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の研究・教育」を開催

2022年08月25日

 岡山大学中性子医療研究センター(NTRC)は2017年に設立され、国際原子力機関(IAEA)と協働してがん治療の1つホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の教育・研究・情報発信を行っています。
 今回、新型コロナウイルス感染症の状況を鑑みて、7月25日から29日の5日間、オンラインと対面・現地視察を含めたハイブリッドの充実した内容でIAEAの原子力科学応用局物理化学部からIan Sawinson 氏を迎えてBNCTのワークショップを開催しました。
 1日目の25日午前はIAEA協働センターについて、中性子医療研究センター、自然生命科学研究支援センター、異分野基礎科学研究所の教員ら10人の少人数で対面の意見交換が行われました。午後は、コロナ禍でも海外の患者を年間100人以上受け入れ、治療を続けている台湾の原子炉を使用したBNCTの進捗、2020年よりBNCTの保険診療が開始された日本における医薬品や医療器機器の申請手続きの道のり、来年からBNCTの治験を計画しているフィンランドの状況、そしてヨーロッパのBNCTプロジェクトの状況と世界のBNCTの進捗を網羅するハイブリッドワークショップを開催。約170人の参加のもと盛会裏に終了しました。
 2日目の26日は、IAEAよりBNCTの技術文書(IAEA-TECDOC)の状況とIAEA加盟国の研究機関が参加し各々の研究を行う協働研究(Coordinated Research Project、CRP)についてのご講演後、約15人の専門家による活発なディスカッションがハイブリッドで行われました。
 3日目の27日は、槇野博史学長を表敬訪問しました。表敬訪問では、槇野学長の他、那須保友センター長(研究担当理事・副学長)、道上宏之副センター長も出席しIAEA協働センターの申請について報告し、「IAEAと協働してBNCTの教育・研究拠点の準備をすすめていきたい」と発言がありました。
 4日目の28日は、大阪医科薬科大学にて、BNCTの概要と詳細について講演後、BNCTの施設見学と活発な意見交換が行われました。
 5日目の29日は、湘南鎌倉病院にて、全国の徳洲会病院とはオンライン、C棟3階 講堂のハイブリッドによるBNCTの進捗と情報交換、さらにBNCT・BPA-PETの施設見学が行われました。
 今回の5日間のワークショップを通じて、日本のみならず世界のBNCTの進捗状況の情報共有を行い、本学はIAEAと協働してBNCTの標準化に向けた国際教育・研究の拠点形成の準備を加速させ、わが国におけるBNCTの教育研究・人材育成拠点としてイニシアチブを発揮させていきます。
 なお、本ワークショップは、岡山大学ダイバーシティ推進本部男女共同参画室「女性教員支援助成金」の支援を受け実施しました。


【本件問い合わせ】
中性子医療研究センター 特任准教授 井川和代
TEL:086-235-7785
https://www.ntrc.okayama-u.ac.jp/

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