国立大学法人 岡山大学

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国際原子力機関(IAEA)の第66回総会でサイドイベント「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の進捗」を開催

2022年10月06日

 9月26日、オーストリアのウィーンで実施された国際原子力機関(IAEA)の第66回総会で、日本政府支援のもと、サイドイベント「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」をIAEAと本学で共同開催しました。
 まずIAEA協働センター指定セレモニーを行い、IAEAと本学は、非侵襲的治療法であるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)分野における 1.BNCT施設への支援 2.BNCT専門家や女性研究者の教育・研修 3.BNCTの国際標準化に向けた研究開発 4.BNCT関連の情報発信 で協力することに合意し、IAEA協働センターに指定(*1)されました。IAEAの取組みとして、持続可能性に基づき、放射線安全に関する法律やインフラを構築または強化し、品質管理、指導、トレーニング、機器を提供する「Rays of Hope~Cancer care for all~」プロジェクトがあります。本学はBNCT分野において国際機関のミッションに貢献します。Najat Mokhtar事務次長兼原子力科学・応用局長、引原毅特命全権大使(在ウィーン国際機関日本政府常駐代表)、槇野博史岡山大学学長のあいさつの後、IAEAの協働センター指定の署名式が執り行われ、銘板が授与されました。
 続いてBNCT講演が行われました。近年、医療に使用する加速器型中性子源の小型化が進み、病院内に設置することができるようになり、日本では加速器装置を用いたBNCTシステム、治療計画装置、ホウ素含有医薬品が、切除不能な再発頭頸部がんに対する治療として承認されています。最先端のがん放射線治療のひとつであるBNCTの取り組みについて、加速器BNCTシステム4社とホウ素の製薬企業1社から紹介がありました。まず2020年より頭頸部がんに対して日本で保険診療が開始された住友重機械工業株式会社の加速器BNCT治療システムに関する医療承認までの道のりと海南島医療特区(中国)への展開について、次にヘルシンキ大学病院(フィンランド)に導入されたNeutron Therapeutics社の加速器BNCTシステムの治験準備状況と湘南鎌倉病院(日本)の展開について、引き続き、廈門弘愛医院(中国)に導入されたTAE Life Sciences社の加速器BNCTシステムの前臨床試験の状況とCNAO(イタリア)への展開について、さらにKIRAMS(韓国)に導入されたCNEA(アルゼンチン)のBNCTシステムのプロトタイプの概要説明がありました。さらに、日本でBNCTのホウ素含有医薬品として承認されたステラファーマ社のボロファラン(ステボロニン)の概要と加速器BNCTシステム5施設におけるボロファランの展開について紹介がありました。最後に、Melissa Denecke原子力科学・応用局物理化学部長より閉会のあいさつがあり、2019年からIAEAが事務局となり岡山大学が協力してきた400ページに及ぶBNCTに関する技術文書を20年以上ぶりに更新し発刊することが述べられました。
 サイドイベントには加盟国50人以上が参加し、BNCTに対する世界中の関心が高いことが伺えました。世界でBNCTに関連した施設は30以上になり、企業が市場に参入し、多くの新しい施設が建設中または計画中であり、BNCTの更なる発展が期待されます。本学は、IAEAの協働センターとしてBNCTに関する研究・教育・情報発信において世界の健康と平和に貢献します。


サイドイベント情報
Side Events Organized by Member States During the 66th General Conference
サイドイベントプログラム

協働センター指定に関するニュース
・IAEA News
IAEA, Japan’s Okayama University to Work Together on Advancing Boron Neutron Capture Therapy to Help Fight Cancer
・岡山大学
プレスリリース「岡山大学が国際原子力機関(IAEA)協働センターに指定」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000922.000072793.html


(*1)IAEA協働センター
原子力技術の利用を促進するためにIAEAでは、世界中の指定された機関と協力を推進しています。協働センターでは、そのネットワークを通じて、原子力に関わる研究やその安全と確実な応用に関連する独自の開発及び訓練を実施しており、世界36カ国に58機関のIAEA協働センターがあります(2022年8月)。日本では、2005年に旧放射線医学総合研究所(放医研)、2014年に放射線被曝者医療国際協力推進協議会がそれぞれ放射線医療分野で2021年に日本原子力研究開発機構が廃止措置・廃棄物管理分野及び核セキュリティ分野の2つの分野でIAEA協働センターの指定を受けており、岡山大学は国内で4番目となります。

【本件問い合わせ先】
中性子医療研究センター
准教授 井川和代
igawakazuyo◎okayama-u.ac.jp
※@を◎に置き換えています。
TEL:086-235-7785

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