国立大学法人 岡山大学

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松村健太郎研究助教が2022年度日本動物行動学会賞を受賞

2022年12月02日

 学術研究院環境生命科学学域昆虫生態学研究室の松村健太郎研究助教が、2022年度日本動物行動学会賞を受賞し、11月23日に福岡市で開催された第41回日本動物行動学会で、授賞式と受賞講演を行いました。
 日本動物行動学会賞は、現在の動物行動学分野における優れた研究を、研究実施者のキャリアを問わず表彰することにより、動物行動学の一層の活性化を図ることを目的に設けられました。賞の対象は、研究者個人の全業績ではなく、1つの内容と見なせる良くまとまった3編までの論文からなる業績が対象です。
 今回の受賞題目は「コクヌストモドキの移動活性に対する人為選抜が繁殖形質に及ぼす影響を調べた研究」であり、「動物の行動に関する新たな現象の発見」の区分で、極めて独創性の高い一連の研究が評価されたものです。

●「コクヌストモドキの移動活性に対する人為選抜が繁殖形質に及ぼす影響を調べた研究」の内容
 多くの動物において、移動は生態学的に重要な行動ですが、その移動運動の活性(移動活性)にはしばしば集団内で個体差が観察されます。しかしながら、その移動活性の個体差が集団内で維持されている原因については多くの謎が残されたままでした。松村研究助教は、モデル生物のコクヌストモドキを対象として、移動活性に対する人為選抜を行い、移動活性が高い系統と低い系統をそれぞれ確立しました。この選抜系統を用いて繁殖形質を比較した結果、移動活性と繁殖がトレードオフの関係であることが明らかになりました。これらの結果は、移動活性の違いは繁殖形質に大きな影響を与え、移動活性の個体差が集団内で維持される可能性を示唆しました。

日本動物行動学会のHPはこちら

【本件問い合わせ先】
学術研究院環境生命科学学域
研究助教 松村健太郎
メール:ag20110◎s.okayama-u.ac.jp
@を◎に置き換えています。

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