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中田英二准教授(医)がAMED「令和5年度再生・細胞医療・遺伝子治療実現加速化プログラム(疾患特異的iPS細胞を用いた病態解明・創薬研究課題)分野3」に採択

2023年06月08日

 本学学術研究院医歯薬学域(医)整形外科学教室(運動器外傷学講座)の中田英二准教授が、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「令和5年度再生・細胞医療・遺伝子治療実現加速化プログラム(疾患特異的iPS細胞を用いた病態解明・創薬研究課題)分野3」に採択されました。
 同事業は、難病などの患者由来の疾患特異的iPS細胞等を用いた疾患発症機構の解明や病態解析技術の高度化、創薬研究を推進するものです。また、ゲノム医療研究への活用も念頭に置きつつ、疾患付随情報などが充実した疾患特異的iPS細胞バンクの整備とその利活用促進を行うものです。
 今回、中田准教授は「疾患特異的iPS細胞利活用促進のための共同研究課題」において採択を受け、「神経線維腫症1型患者のNF1遺伝子変異に基づく病態解明と個別化医療を目的とした疾患特異的iPS細胞の樹立」の研究開発課題名のもと2023年度から2年間、研究チームを率いることになります。
 今回の採択を受けて中田准教授は、「遺伝性骨・軟部腫瘍である神経線維腫症1型(NF1)は、悪性腫瘍の発生率が高く、予後不良なことも多いですが、その病態については十分解明されていません。我々は全国で初めてNF1を含めた遺伝性骨・軟部腫瘍の診療を行う遺伝性骨・軟部腫瘍外来を開設し、NF1患者を集約し疾患に関する情報提供や遺伝カウンセリングを行ってきました。最近、遺伝子型-表現型相関(genotype-phenotype correlation)が注目されていますが、病的バリアントの違いによって臨床症状が異なる分子機構は解明されていません。希少がんの病態や分子標的薬の開発は遅れているため、遺伝性疾患であるNF1において、病態を解明するためには、まずNF1患者のgenotypeに基づいて疾患特異的iPS細胞を樹立することが重要と考えました。また、得られた知見からさらに研究を進め、新規治療の開発や、個別化医療につなげることを考えています。本研究は、本院整形外科(尾﨑敏文教授)本学学術研究院医歯薬学域組織機能修復学分野(宝田剛志教授)臨床遺伝子医療学分野(平沢晃教授)のメンバーによる異分野連携により遂行し、新規治療につながる知見を得たいと考えています」とコメント。今後の研究活動に意欲を見せました。
 今後も本学は、研究力における強みのひとつである医療系研究分野の更なる強化促進を図り、研究力向上・イノベーション創出を加速させていきます。また今回の中田准教授の研究開発課題のように難病などで苦しむ患者さんやそのご家族などの関係者らのみなさんの救いとなるように、最新の研究を用いた開発を精力的に進めていきます。中田准教授をはじめ、今後も地域中核・特色ある研究大学である岡山大学にご期待ください。
 なお、本件は2023年5月29日にAMEDのホームページに掲載されました。

【本件問い合わせ先】
学術研究院 医歯薬学域(医)整形外科学教室(運動器外傷学講座)准教授 中田英二
TEL:086-235-7273 (医局直通)
FAX:086-223-9727
https://www.okayama-ortho.jp/

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