本学と中国科学院昆明植物研究所が拠点機関となっている,日本学術振興会アジア研究教育拠点事業「東アジア有用植物遺伝資源シンポジウム」が10月4,5日,岡山市内のホテルで開催されました。本事業は,中国雲南省とその周辺地域で有用な植物遺伝資源を調査・保存し,多様性を解析して評価・開発・研究するための研究拠点を諸外国に先駆けて構築し,安全・安心な食料生産のための研究拠点へと発展させることを目的としています。事業開始から3年目となった今年のメインシンポジウムでは中国から10人,学外の日本側研究者も11人が参加し,活発な議論や交流が行われました。
初日は,長年,東南アジアを中心にフィールドワークを実施してきた資源植物科学研究所大麦・野生植物資源研究センターの榎本敬准教授が「外来雑草の日本と昆明(中国)への侵入」と題して基調講演。2004年に本学と大学間協定を締結する際,中国科学院昆明植物研究所の所長として来岡したHao Xiaojiang教授が「Approach on the Discovery of Natural Leads from Plants of Yunnan」と題して基調講演しました。ポスターセッションを挟み,植物化学グループを中心に発表を行い,本事業の中国側コーディネーターであるLong Chunlin教授やLi Shenghong教授らが講演しました。
2日目は,農芸化学グループの先生や雲南大学のLiu Feihu教授らが,穀物として重要なイネやダイズ,園芸分野ではトウツバキなどについての研究発表を行ないました。最後のセッションでは,新疆農業科学院ハミウリ研究センターのMa Xinli副研究員が,新疆におけるメロン・スイカ遺伝資源について発表しました。
2日間で,コアメンバーを中心に総勢80人以上の参加者が活発な意見交換を行ない,共同研究の今後について確認しました。また,このシンポジウムに合わせ,今年度も雲南農業科学院薬用植物研究所からShi Yana助理研究員,新疆農業科学院園芸作物研究所からAierken Yasheng副研究員を招へいし,共同研究を開始しています。
<写真>活発な議論や交流が行われたシンポジウム
【本件問い合わせ先】コーディネーター・自然科学研究科教授 加藤鎌司
TEL:086-251-8323
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本事業に関しては,下記URLをご参照ください。
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(11.11.01)