国立大学法人 岡山大学

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岡山大学カーボンニュートラル拠点事業シンポジウム「地域特性を活かしたカーボンニュートラルと物質循環から地方創生へ」を開催

2024年04月03日

 本学は3月28日、岡山コンベンションセンターにて、岡山大学カーボンニュートラル拠点事業シンポジウム「地域特性を活かしたカーボンニュートラルと物質循環から地方創生へ」を開催し、カーボンニュートラルに関心を寄せる自治体・企業関係者、学術機関の方および学生など対面で約150人、オンラインで約250人が参加しました。
 本学は、世界的な地球温暖化対策に呼応して、脱炭素社会の実現に向けた本学の取り組みを戦略的に推進するため、2022年4月からカーボンニュートラル戦略本部を設置しています。同本部内には、教育・人材育成部門、研究部門、環境マネジメント部門を置き、カーボンニュートラルに関する学内での教育研究活動やキャンパスのゼロカーボン化の施策を検討実施しています。
 本シンポジウムは、同本部研究部門によるカーボンニュートラル拠点形成事業の一環として開催したもので、カーボンニュートラルを実現する具体的なソリューションの創出に向け、地域固有の特性を生かして、周辺地域と連携したカーボンニュートラル社会の将来像について考えることを目的としています。
 開会にあたり、本学の阿部匡伸DX・GX担当理事が「カーボンニュートラル実現に向けて岡山大学として貢献できる領域は多く、岡山県での脱炭素を進めるために、地域間での再エネポテンシャルの偏り等を踏まえながら今後どのように協力し合い、取り組んでいくべきかについてともに考えたい」とあいさつしました。
 基調講演では、国際大学の橘川武郎学長が「カーボンニュートラルとコンビナート、地方創生」と題して「水島コンビナートは自動車、石油精製、石油化学、鉄鋼が集積する国内唯一のコンビナート。県北では木質バイオマスの利活用が進んでおり、多様な産業が共存している岡山県におけるカーボンニュートラルに向けた取り組みは、日本全体の脱炭素に向けて大きな意味を持つ」と、日本の電源構成の将来予測などを踏まえながら岡山地域全体で資源やエネルギーを統合的に活用する未来像について話しました。
 特別講演では、化学工学会会長である早稲田大学の松方正彦教授が「化学工学会が取り組むカーボンニュートラルへの挑戦」と題して、「2050年カーボンニュートラル達成は現在の技術と社会の延長線上ではなくバックキャストで考える必要がある」と、化学産業が持つポテンシャルを踏まえながら従来の発想から脱却し、化学産業の未来を描くための考え方について話しました。
 続いて地域でのカーボンニュートラルの取り組み事例紹介では、経済産業省中国経済産業局資源エネルギー環境部資源エネルギー環境課の中村崇課長、岡山県産業労働部産業振興課の森藤賢司課長、ENEOS株式会社水素事業推進部の前田征児主幹、真庭市産業観光部林業・バイオマス産業課の杉本隆弘室長、国立研究開発法人国立環境研究所連携推進部研究連携・支援室の藤井実室長が、それぞれの立場におけるカーボンニュートラル実現に向けた取り組みについて話しました。
 最後のパネルディスカッションでは、本学学術研究院環境生命自然科学学域の小野努教授がファシリテーターを務め、この日登壇した講師をパネリストに、岡山の地域特性を活かした脱炭素の可能性、サプライチェーン全体でのカーボンニュートラル実現に向けて目指すべき方向性などについて参加者を巻き込みながら活発に議論しました。
 閉会にあたり、本学の那須保友学長が「この先10年間に行う取り組み次第で、今後1000年が決まるということを松方教授から聞き、我々の責任の重さをあらためて認識した。交流会で是非交流を深めていただき、地域一体となって脱炭素を進めていきたい」とあいさつし、シンポジウムは盛況のうちに幕を閉じました。
 また、シンポジウム後の交流会には多数の企業・自治体・大学関係者が参加し、カーボンニュートラルや地方創生などについて意見交換を行いました。
 本学では、本シンポジウムを一つの契機として、岡山地域における地域特性に応じた持続可能なエネルギー・物質循環と地方創生に向けた拠点形成に取り組んでまいります。
                       
【本件問い合わせ先】
岡山大学 カーボンニュートラル戦略室
Mail:CN-admin◎adm.okayama-u.ac.jp
   ※@を◎に置き換えています。
Tel:086-251-7016

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