本学医療系等研究開発戦略委員会は9月28、29日、ブレインストーミング2024を、香川県直島町のベネッセハウスで行いました。新型コロナウイルス感染症も5類に移行し、久しぶりに1泊2日での開催となりました。学内から那須保友学長、三村由香里理事(企画・評価・総務担当)、阿部匡伸理事(デジタルトランスフォーメーション・グリーントランスフォーメーション担当)・上席副学長、そして成瀬恵治学術研究院医歯薬学域長に加えて、医歯薬学域、岡山大学病院、高等先鋭研究院、総合技術部の教職員40人、学生15人(内 大学院生11人、学部生4人)が参加しました。学外からも特別講演者や企業関係者が5人加わり、総勢64人の参加者が集まりました。
1日目は、「共同研究のススメ・先端機器を使い倒そう」のテーマのもと、成瀬医歯薬学域長の開会のあいさつに始まり、3人の特別講演が行われました。特別講演1として異分野基礎科学研究所の加藤公児准教授から「クライオ電子顕微鏡によるタンパク質構造解析の原理と解析例」、特別講演2として愛媛大学プロテオサイエンスセンター長の澤崎達也教授から「プロテオサイエンスを基盤とした共同利用・共同研究拠点(PRiME)への展開と医学への応用」、そして特別講演3として東北大学多元物質科学研究所の南後恵理子教授から「タンパク質が機能する瞬間を捉える:X線自由電子レーザーによる分子動画解析」の講演がありました。ポスター発表では、学部生・大学院生による14演題を含む総数31の研究が紹介され、活発なディスカッションが行われました。
2日目は、学術研究院医歯薬学域歯周病態学分野・高柴正悟教授のコーディネートにて、山本貴志氏(株式会社メニコン・みる未来事業総括本部・ヘルスケア事業企画管理部)、宮井勇氏と大平颯氏(公益財団法人岡山県産業振興財団ものづくり支援部・岡山県企業と大学との共同研究センター)のパネルディスカッションが行われました。参加者とともに「産官学の共同研究はどのようにするのか」について討論しました。その後、学生から選考された最優秀・優秀ポスター賞の発表と受賞者による講演が行われました。最後に那須学長より総評が行われ、閉会しました。
2日間を通じて、所属分野や職階、そして年齢といった垣根を越えて実りある討論・交流を深めることができました。その成果は、今後、異分野研究者間での先端機器の活用を通じた融合、企業の技術を応用した研究コラボレーションなどの共同研究につながり、本学が地域中核・特色ある研究大学として目指す研究力強化に資するものと確信します。来年も多くの若手研究者および学部・大学院生の参加を期待しています。
○ポスター賞
最優秀賞 北村七海 大学院医歯薬学総合研究科薬科学専攻(博士前期課程)
「味覚受容体全長構造のクライオ電子顕微鏡単粒子構造解析」
優秀賞 宮﨑将司 医学部医学科
「浸潤がん細胞と微小環境との代謝クロストークを標的とした新規がん治療薬開発」
優秀賞 泉川智香 大学院医歯薬学総合研究科医歯科学専攻(修士課程)
「3Dバイオプリンターによるがん関連線維芽細胞(CAF)の抗腫瘍免疫反応への影響の解明」
優秀賞 渡邉寛子 大学院医歯薬学総合研究科医歯科学専攻(修士課程)
「がんの免疫原性と免疫記憶」
【本件問い合わせ先】
岡山大学医療系等研究開発戦略委員会
(岡山大学病院研究推進課)
TEL:086-235-7982
若手研究者育成・異分野交流を目指す「ブレインストーミング2024」を開催
2024年10月21日