本学総合技術部は11月6日、機器共用に関する認識を深め、サイテックコーディネーター(SC)との相互理解を図ることや技術職員のスキルアップ・研鑽と捉え、技術研究を推進する契機とすることを目的として、津島キャンパスの創立五十周年記念館金光ホールにて「総合技術部研究発表会2024」を開催しました。
発表会には総合技術部職員の他、学内の教職員や学生もあわせて、対面で49人、オンラインで30人が参加しました。
本学技術統括監理本部を構成する組織のひとつである総合技術部は、昨年度に採択を受けた文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」(実施主体:日本学術振興会)の取り組みにおいて、技術職員の組織、個人におけるさまざまな変革を実施しています。特に総合技術部の強化および機器共用の強化推進の観点等から、SCを含めた研究・イノベーション共創機構機器共用推進本部のノウハウを総合技術部に移管しており、10月1日付で同本部所属である5人のSC(惑星物質研究所2人、自然生命科学研究支援センター3人)および技術職員1人(自然生命科学研究支援センター)が総合技術部へ移管されました。
SCは、博士号を有し、高度な専門能力を有する高度専門職として、本学における機器共用を精力的に推進する高度人財・博士人材です。今後、SCのリーダーシップの下、総合技術部が機器共用をさらに前進させることが求められています。
発表会の第1セッションでは、移管されたSC・技術職員6人が登壇し、研究内容や機器共用に関する業務(委託分析、分析指導、機器管理、コアファシリティポータル「CFPOU」運用、SPring-8利用サポート等)について発表しました。
第2セッションでは、情報工学系、医学系、理学系及び社会基盤系の技術職員5人が登壇し、研究・業務・取り組みの内容や事例について発表。さまざまな分野の発表となりましたが質疑も活発に行われ、発表者と研究者あるいは技術職員間の新たな交流の契機ともなりました。また、文部科学省教育行政・学校教育等実務研修生の2人も来場し、総合技術部の業務や活動について意見交換等を行いました。その中で、文部科学省科学技術・学術政策局人材政策課の櫻井友理希さんは「職員同士の交流、職務内容や研究内容の共有に留まらず、おのおのが抱えている問題に対して別の技術職員の経験によるアドバイスや共同研究への発展につながる取り組みとなっていました。大学全体の研究力を強化するためには、技術職員の知識と経験を組織全体で共有することが重要であるため、総合技術部による取り組みが『岡山大学モデル』となって他大学へ横展開されるよう、さらなる発展を願っています」とコメントしました。
今回の開催について総合技術部本部長を務める佐藤法仁副理事(研究・産学共創総括担当)・副学長(学事担当)・上級URAは「総合技術部は、昨年度に創部されました。これまで個々に活動していたことが多い技術職員を組織化することは大変な労力を伴うものでした。そのため、研究・イノベーション共創機構で抱えている機器共用のノウハウまでを同時に移管することは困難でした。段階を追って、かつ戦略的に移管しつつ、技術職員自身が主体性と当事者意識を持ち、機器共用を推進していく必要があります。機器共用は決してSC任せではなく、総合技術部全体がイニシアティブを持って行動するために、今回の場を設けました。今後も、さまざまな場を用いて組織強化を図るとともに、既成概念や思い込みを廃した改革を皆さんとともに進めていきたいと思います。どうぞ総合技術部の取り組みにご期待ください」と、今後の部の方針も含めてコメントしました。
今後も研究ファーストの研究大学として、技術職員の技術研究パフォーマンスの向上等を図る上で、個々のレベルアップに加え、部内で分野を横断した連携協力等が求められています。佐藤本部長の言う機器共用における主体性と当事者意識に加え、さまざまな分野の研究や業務に係る理解・連携を深めた活動等を戦略的に推進していきます。どうぞ今後も挑戦を続け、地域中核・特色ある研究大学:岡山大学の一翼を担う技術職員らの取り組みにご期待ください。
【本件問い合わせ先】
岡山大学総合技術部事務室
TEL:086-251-8816
総合技術部HP
総合技術部研究発表会2024~サイテックコーディネーターとの融合:機器共用のさらなる前進と研究パフォーマンス向上へ~
2024年12月10日