国立大学法人 岡山大学

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次世代AIと医学の可能性シンポジウム~フィジカルインテリジェンス~を開催

2025年01月31日

 本学は1月28日に、「次世代AIと医学の可能性シンポジウム」を鹿田キャンパスで開催し、学内外から60人を超える参加者が集まりました。
 冒頭、本学の那須保友学長が、次世代AIとして注目される「フィジカルインテリジェンス」(※1)が、現実世界の情報を取り込みながら学習する新しいAI技術であり、”不易流行”を追求する本学が先駆けて取り組むべき課題であるとあいさつ。
 続いて、企画した本学学術研究院ヘルスシステム統合科学学域の中澤篤志教授が、シンポジウムの意義を説明。用意されたデータセットではなく、実際の環境とインタラクション(相互作用)しながら自律的に学習するシステムであるフィジカルインテリジェンスが、医学のユースケース(※2)と融合することがもたらす可能性について述べました。
 続く講演では、国立情報学研究所の小林泰介助教が強化学習研究の最前線のロボティックスへの応用状況について講演。また、早稲田大学の尾形哲也教授が、ロボティクスとAIが融合する将来像について興味深い洞察を提供しました。
 その後、本学大学研究者による講演が行われ、学術研究院環境生命自然科学学域の松野隆幸教授が、穿刺ロボットを中心に、医療分野への具体的応用例を紹介し、フィジカルインテリジェンスの現時点での到達例を示しました。また、学術研究院医歯薬学域の谷岡真樹准教授は、文部科学省の支援を受けて進めている岡山大学大学院医歯薬学総合研究科医療AI人材育成プログラムについて発表し、フィジカルインテリジェンス研究を推進する人材の育成について説明。薬剤部の座間味義人教授、学術研究院医歯薬学域の香田将英准教授、中原龍一講師から、それぞれ、病院薬剤部、地域医療、整形外科で想定されるAIのユースケースとフィジカルインテリジェンスへの期待が述べられました。
 これらを受けて行われたパネルディスカッションでは、フィジカルインテリジェンスと医学の融合がもたらす未来について、各分野の専門家に対し、参加者からも多くの質問が寄せられ、活発な議論が繰り広げられました。
 本シンポジウムでは、本学内だけでも、AI・ロボティックス分野での多様な取り組みがあることを示しました。同時に、それらが学外の知見と融合することで、新たな展開を生み出す可能性を示し、今後の研究と実用化に向けた重要な一歩となりました。
 本学は今後も、ユースケースの開拓とともに、それに密着したAIとロボティックスの融合分野=フィジカルインテリジェンスの開拓に取り組んでいきます。

(※1) AI分野におけるフィジカルインテリジェンス:ロボットや機械が環境に適応し、自律的に最適な動作を選択・制御する能力を指す。センサー技術、強化学習、運動制御アルゴリズムなどを活用し、人間や生物のような柔軟で効率的な動作を実現することを目指す。

(※2) ユースケース:システムやサービスがどのように使われるかを示す具体的な活用事例

【本件問い合わせ先】
岡山大学 研究・イノベーション共創機構 
上級URA(特任) 佐藤浩哉
E-mail: ura-info◎okayama-u.ac.jp 
※メールアドレスの◎を@に置き換えてください。

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