本学が調査を実施 令和6年度「先端的サービスの開発・構築及び規制・制度改革に関する調査事業」の調査報告書(概要版)を内閣府が公表
2025年06月11日
本学は、令和6年度の内閣府事業「先端的サービスの開発・構築及び規制・制度改革に関する調査事業」に採択され、全世代に交付可能な「デジタル健康手帳」の実装に向けた調査を実施しました。このたび、同事業の調査報告書(概要版)が内閣府より公表されました。
2021年1月から本学は、革新的事業連携型国家戦略特区(デジタル田園健康特区)として指定された岡山県吉備中央町とともに、同町が掲げる「吉備高原都市スーパーシティ構想」(安心・安全かつワクワクできる未来型シティの構築)の推進協議会にリードアーキテクトとして参画しています。その一環で救急医療における救急救命士の役割拡大、母子健康情報のデジタル化、PHR基盤への医療・健康情報蓄積を中核テーマとする規制改革を進めてきました。同改革は、内閣府が推進する主幹事業の一つです。同調査の結果として、口腔内細菌叢データの活用により歯科保健指導の効率化が示唆され、歩行姿勢改善プログラムが女性の腰痛・骨盤痛緩和に寄与する可能性が確認されました。詳細は以下の概要版をご覧ください。
■令和6年度「先端的サービスの開発・構築及び規制・制度改革に関する調査事業」調査報告書(概要版)
●事業概要:「全世代に交付可能な「デジタル健康手帳」の実装に向けた調査」
・事業責任者:岡山大学学術研究院医療開発領域 新医療研究開発センター 講師(特任) 牧尉太
・共同実施機関:エムスリー株式会社、富士通株式会社/富士通Japan株式会社、そなえ株式会社
・研究協力機関・団体:
- 北翔大学 生涯スポーツ学部 教授 山本敬三氏
- 北翔大学大学院 生涯スポーツ学研究科 博士後期課程 上野智也氏
- 一般社団法人ポスチャーウォーキング協会 KIMIKO氏
本事業では、生涯にわたる健康増進に向け、若い世代にも交付可能な「デジタル健康手帳(健康・医療に関する複数のアプリとポータルアプリを連携し、自身のさまざまな健康・医療情報を容易に確認できるようにしたもの)」の実装を目指しました。調査においては、多様な世代の口腔内や歩行姿勢の検査データの取得や連携等を通じ、「デジタル健康手帳」の有用性等の検証を行うとともに、若い世代にも「デジタル健康手帳」の交付を行うモデルの構築を目指し、必要な要件検討等を行いました。
●実証調査1:唾液検査による口腔内細菌叢の網羅的解析を用いた、個人・家族の歯科保健指導への応用に関する調査
・研究担当者:岡山大学学術研究院医歯薬学域 予防歯科学分野 教授 江國大輔・准教授 丸山貴之
・概要:3世代以上を含む家族グループを対象に、唾液中の細菌叢解析、口腔内診査、リスク因子調査を実施し、「デジタル健康手帳」を活用した歯科保健指導の効果を検証。
●実証調査2:女性の腰痛骨盤痛に対する歩行姿勢の改善と症状改善を目的とした実証および調査参加者へのPRO調査
・研究担当者:岡山大学学術研究院医療開発領域 新医療研究開発センター 講師(特任) 牧尉太
岡山大学病院 客員研究員 三苫智裕
・概要:ポスチャーウォーキングを用いた姿勢指導を実施。マーカレスモーションキャプチャーによる歩行姿勢解析と、腰痛・骨盤痛の症状変化を比較検証。
本学は同報告書を踏まえ、規制改革の推進や自治体間データ連携の強化を図り、臨床研究中核病院・橋渡し研究支援機関として最先端サービスの社会実装をさらに加速していきます。
〈関連ページ〉
■令和6年度「先端的サービスの開発・構築及び規制・制度改革に関する調査事業」の結果について
■岡山県吉備中央町が「国家戦略特別区域(デジタル田園健康特区)」に指定されました。~国立大学法人岡山大学が参画~
〈関連企業〉
■エムスリー株式会社
■富士通株式会社
■富士通Japan株式会社
■そなえ株式会社
■一般社団法人ポスチャーウォーキング協会
【本件問い合わせ先】
岡山大学学術研究院医療開発領域 新医療研究開発センター 牧 尉太
TEL:086-235-6504
E-mail:Kensui-soumu@adm.okayama-u.ac.jp