国立大学法人 岡山大学

LANGUAGE
ENGLISHCHINESE
MENU

地域共創型取り組み「シネコカルチャー(協生農法)プロジェクト」本格始動~産学官共同開発の遠隔操縦式草刈機 実証予定地で初作業~

2025年07月15日

 本学は7月10日、学生主体で耕作放棄地の再生と自然共生型の地域づくりに挑戦する「シネコカルチャー(協生農法※1)プロジェクト」において、実証予定地で初めて草刈りを実施しました。本プロジェクトは、内閣府「地域中核大学イノベーション創出環境強化事業」の一環として取り組んでいるもので、当日は、農学部・工学部・経済学部・資源植物科学研究所の学生や教職員や、協力企業のオカネツ工業株式会社の在本倫規専務取締役ら、約30人が集まりました。
 草刈りには、オカネツ工業が主体となり、産学官で共同開発したラジコン式草刈機「AIRAVO(アイラヴォ)」を使用し、雑草が生い茂る岡山大学農学部附属山陽圏フィールド科学センターの農場を整備しました。AIRAVOは遠隔操作に対応しており、従来の手作業に比べて作業負担を大幅に軽減できるのが特長です。さらに、ハンマーナイフ式であるため、刈り取った草を細かく粉砕し、そのまま敷草(マルチ)や堆肥素材として活用できる利点があります。
 現在、本学、岡山理科大学・オカネツ工業および岡山大学発ベンチャー株式会社TechSwordの四者連携により、おかやまデジタルイノベーション創出プラットフォーム(OI-Start)における産学連携プロジェクトの一つとして、自律走行化を見据えた改良・開発も進行中で、スマート農業の未来を担う次世代型農業機械として大きな期待が寄せられています。
 作業の前後には、学生たちが現地の植生や土壌の状況を観察し、今後の植生デザインについて議論を交わしました。今後は、協生農法の理念に基づき、多様な植物が共存する生態系の構築を目指し、段階的な作付けを進めていく予定です。
 さらに本プロジェクトでは、生成AIや画像認識技術を活用した作物・野生植物の識別アプリの開発や、ICT・ロボティクス技術との融合による新たな農業モデルの創出を推進していきます。
 本学は、今後も産学官民の連携を通じて、地域資源を生かした持続可能な環境づくりと、学生の実践的な学びの場の創出に取り組んでいきます。

※1)協生農法:自然界の生態系に学び、できるだけ人の手を加えずに作物を育てる持続可能な農業の方法。耕さず、肥料や農薬を一切使わず、多種多様な植物を同じ場所に共生させることで、土壌や生態系の本来の力を引き出す。この農法では、雑草や虫も排除せず、自然の循環の一部として受け入れるため、環境への負荷が少なく、長期的に安定した農業の実現が可能とされている。

【参考情報】
協生農法とは(Sony CSL)
※「協生農法®」は株式会社桜自然塾の登録商標。
※「Synecoculture™(シネコカルチャー)」はソニーグループ株式会社の商標。

【関連記事】
地域共創型取り組み「協生農法プロジェクト」が始動 ~耕作放棄地の再生を通じて、自然共生型の地域づくりを目指す~

【本件問い合わせ先】
 研究・イノベーション共創機構 産学官連携本部 舩倉
 TEL:086-251-7151
 Email: co-creation◎adm.okayama-u.ac.jp
 ※@を◎に置き換えています。

年度