国立大学法人 岡山大学

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“総合的な探究の時間”で高校生の主体的な学びを後押し―笠岡高校のDXハイスクールを学生と共に強力支援 ―

2025年07月23日

 本学は7月15日、岡山県立笠岡高等学校の「総合的な探究の時間」において、高校生の探究活動を支援しました。今回の支援では、野上保之学術研究院環境生命自然科学学域(工)教授をはじめ、同研究室および岡山大学データサイエンス部(DS部)の学生・大学院生4人が参加し、課題設定や活動計画について高校生への相談・助言を行いました。
 本学による笠岡高校への支援は2023年から実施していますが、これまでは教員による講演が中心でした。今回のように、学生が主体となり「総合的な探究の時間」の支援に携わるのは初の試みです。DS部の学生が高校生の探究活動に「伴走者」として寄り添いながら、問いの設定、情報収集、分析、発表準備といったプロセスに対し、具体的な助言や支援を行いました。これにより、高校生の主体的な学びを強力に後押ししています。
 今年、高梁高校から笠岡高校に転任された西村校長は、長年「情報」教育に携わった経験から、笠岡高校の「総合的な探究の時間」のDX化と充実に意欲を示しています。生徒たちも課題解決のツールとして大規模言語モデル(LLM)も駆使しながら探究活動に取り組んでいます。
 西村校長は、今回の取り組みに際して、「DXハイスクールに選定された本校では、中学で進めてきた学習の延長ではなく、『総合的な探究の時間』で培った問いを立てる力と、教科の学習の双方が良い方向に影響し合うように進めていきたい。AIや機械に任せるべき問題と、人間が解くべき問題の境界を考える力を育んでほしい」と話しました。
 当日は、高校生から「16歳以下はSNSへのアクセスを制限すべきか?」「人間とAIの創作物について、AIで作成したポスターは人が作成したポスターより良い評価を得られるか?」「笠岡商店街をプロモートする若者向けアプリを作りたい」「教師のメンタルヘルス:元凶の事務作業はDXで減るはずなのに…」「立ち幅跳びはどうやったら遠く飛べるかを調べるにはどうしたら?」といった多岐にわたる問いが投げかけられ、DS部の学生・大学院生がそれぞれの問いに全力で応えました。
 今回の支援を主導した野上教授は、「私自身にとっても高校生の新しい発想に触れる貴重な機会となった。また、高校にとっても、教員と高校生という従来の枠組みを超えた“気づき”を提供できる点に、本学がDXハイスクールに積極的に関わる意義があるのではないか」と述べ、こうした取り組みを通じて得られた手答えをもとに、今後の支援にさらに力を入れていく決意を語りました。
 本学は今後も、高校の教員・生徒のニーズに寄り添いながら、学生の成長と教職員の意識改革にもつながる取り組みとして、探究活動およびDXハイスクール支援を積極的に展開していきます。

【本件問い合わせ先】
岡山大学研究・イノベーション共創機構
研究企画戦略室 上級URA 佐藤浩哉
E-mail:ura-info◎okayama-u.ac.jp ※@を◎に置き換えています

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