国立大学法人 岡山大学

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「借りる」で、研究時間の確保・研究環境の強化・人材育成の促進・必要経費の削減へ 今までにないお得な研究機器レンタルプラットフォーム誕生~共同記者発表を日本電子株式会社と実施~

2025年08月04日

 7月25日、本学は日本電子株式会社(本社:東京都昭島市)と共同で、研究機器のレンタル(リース)プラットフォーム「Shared Transformation(SX)プラットフォーム」の設立合意に関する共同記者発表を、文部科学省にて行いました。本学より那須保友学長、佐藤法仁副理事(研究・産学共創総括担当)・副学長(学事担当)・上級URAが、日本電子株式会社より大井泉代表取締役社長兼CEOと渡邊愼一顧問(特命経営戦略担当)が登壇しました。
 冒頭、那須学長から、わが国の研究設備・機器を取り巻く現状と本プラットフォーム設立に至る経緯について説明後、担当者である佐藤副理事・副学長・上級URAからプラットフォームの詳細について説明が行われました。また、日本電子株式会社の大井代表取締役社長兼CEOと渡邊顧問が、プラットフォームへの想いとともに、わが国の科学技術・イノベーション活性化の一助となるべく、本プラットフォームを盛り上げていくための取り組みについて、熱意を語りました。質疑応答では、プラットフォームの可能性や実際のメリット、さらにはビジネスとしての課題点など、さまざまな点について意見が交わされました。
 わが国、特に国立大学法人における研究機器の現状は大変厳しく、研究機器の購入だけではなく、修理費や撤去費などを確保することすら難しく、研究環境の悪化を辿っているケースが見受けられます。そこで、今回のSXプラットフォームは、従来の「買う」から「借りる」への選択肢を拡大しつつ、設置費や保守費、修理費、撤去費の4経費が不要などといった非常にお得な研究機器プラットフォームとしました。また、常に最新の研究機器を提供することで、研究者の研究環境の改善のみならず、技術職員らのスキル向上等にも大いに役立ちます。
 本プラットフォームは、国内の大学、高専、公設試、国立大学研究開発法人等を対象に、本学が事務局を務め、まずは日本電子株式会社の研究機器を提供します。8月中は、本プラットフォームの周知活動を行い、9月には参画機関の募集を開始する予定です。
 また、本プラットフォームは、岡山大学と日本電子のプラットフォームではなく、わが国の研究基盤を支える重要な役割を担うと考えています。今後は、わが国の研究機器・分析等のメーカーを順次増やしつつ、レンタル・リースノウハウの共有や技術職員の人材育成、さらにはセカンドユース(中古)のマーケット拡大によって、研究大学ではない機関や価格帯から手を出せない機関も中古の研究機器を手に入れることができるようにするなど、わが国の科学技術・イノベーションを支え、活性化に貢献していきます。ぜひ、数多くの機関の皆さまのSXプラットフォームへの加盟をよろしくお願い申し上げます。
 本件は、本学が採択されている文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」(実施主体:日本学術振興会)の取り組みのひとつとして実施されています。

〇那須保友学長のコメント
 日本電子の大井泉社長が、「買うから借りる」という想いにご賛同くださり、渡邊顧問の高い行動力によって、今までにないプラットフォームを立ち上げることができました。
 研究機器を長く大事に使うことは良いことかもしれませんが、必ず起こる「老朽化」は世界と伍するためには本当に良いことでしょうか?いつまでも古い研究機器では、時間の無駄や効率性の悪さ、そして精度にも関係してきます。技術職員のスキル向上にも寄与しません。わかりやすくイメージするならば、世界は5Gが当たり前なのに、日本ではいまだに3Gを使い続けているという感じです。事例によっては、世界は電気・ガスコンロの使用が当たり前ですが、日本ではいまでに薪火という感じもあるのではないでしょうか?買うことも必要ですが、借りるという選択肢を拡大し、かつ組織の研究・財務マネジメントをしっかりと実施することで、少しでもわが国の研究環境の改善につながればと思います。SXプラットフォームはそのための一助となればと思います。皆さまのSXプラットフォームへの加盟をお待ちしております。


<参考資料>
岡山大学プレスリリース:「借りる」で、研究時間の確保・研究環境の強化・人材育成の促進・必要経費の削減へ―今までにないお得な研究機器レンタルプラットフォーム誕生(2025年8月4日)
今までにないお得な研究機器レンタルプラットフォーム 誕生
(※2025年7月25日に文部科学省での文科記者会で実施した記者会見の資料をもとに作成した事業概要)

<参考>
岡山大学J-PEAKSホームページ
岡山大学コアファシリティポータルサイト(CFPOU)

【本件問い合わせ先】
 岡山大学研究力・イノベーション創出強化実現会議 
 (担当窓口:研究・イノベーション共創管理統括部 研究協力課)
 TEL:086-251-7092
 E-mail:innovation◎adm.okayama-u.ac.jp
      ※@を◎に置き換えています

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