岡山地域での半導体に関する研究・教育を推進する岡山半導体研究教育推進委員会は、9月11、12日の2日間、「先端半導体テクノロジー入門」公開講座を工学部5号館講義室で開催し、学生や社会人、高校生から80歳のシニア層まで、学内外から100人を超える多様な参加者が集いました。この講座は、次世代半導体分野を理解する基盤を築くとともに、産学連携を通じて人材育成を推進することを目的に昨年度から始まった理工系初年次学生向けの単位取得集中講義で、今年で2年目になります。今年度も多数の企業・団体からの協力を得て、各分野の第一線で活躍する専門家をゲスト講師に迎えました。
講義では、AIやスマートフォンの基礎動作、パワーエレクトロニクス、半導体製造プロセスから、日本の半導体産業の強み、光半導体応用まで、幅広いテーマが取り上げられました。
また本年度からは、大学コンソーシアム岡山の単位互換制度を活用し、県下18大学の学生が履修可能で、岡山県立大学や岡山理科大学などから10人の学生が参加しました。さらに、地域企業のリカレント教育にも資するものとして、中国経済産業局からも注目され、中国地域半導体関連産業振興協議会でも取り上げられました。
参加した社会人や企業関係者からは、「新人教育として非常に有用。講師の熱量が伝わる場で学べることが重要」、「ファブレス企業や半導体利用企業の話も聞いてみたい」、「産学官が一体となって大学、学部、学年、高校、企業、地元の人という垣根を超えて“半導体”という1つのテーマについて学ぶのは、新しい形の教育だと感動した」、「基礎的な知識に加え、今後の市場やビジネス的側面に触れてもらったことが有意義」といった感想が寄せられました。
学生からは、「半導体が日常生活を支えていることを実感した」、「最先端技術の現場に触れることができ、将来の進路を考える刺激になった」、「AIの利用につれてデータ通信量や消費電力も増え、このままでは2035年ごろに限界が来る。一つの分野の技術では解決できないため、他分野の知識をつけて協力することが必要だと感じた」、「博士課程や博士号が重要だということがよく分かった。私たちがこれから向かう舞台は日本ではなく、世界だということがとても重要なことだと感じた」などの声があり、幅広い層にとって学びの機会となったようでした。
本学は、今後も地域企業や官公庁、国内外の大学と連携し、半導体分野における教育・研究、人材育成を強化していきます。
【主なゲスト講師と講義】
| シニアマネージャー 南部昭博 氏 エキスパート 日比野正一 氏 |
| 教授 笠展幸 氏 |
| 主任技師補 前田知徳 氏、豊田実成 氏 |
| 部長 戸田武志 氏 設備技術課 副参事 根石修明 氏 |
| 課長 大沼宏彰 氏 |
| 岩畑翔太 氏 |
| シニアストラテジスト 堀田尚二 氏 |
| 特命教授 青砥なほみ 氏 |
【本件問い合わせ先】
岡山大学研究・イノベーション共創機構 佐藤浩哉
E-mail:sato.hiroya◎okayama-u.ac.jp
※@を◎に置き換えています。