本学総合技術部は、8月7日に小学4~6年生を対象とした「小学生のための工学実験教室2025」を本学津島キャンパスで開催し、3つのテーマにそれぞれ10人ずつ小学生とその家族が参加しました。
16回目の開催となる今回は、前年度から継続して実施している「スペクトル分光器を作ろう」、「3Dプリンターでオリジナル貯金箱を作ろう」に加え、「消しゴムを作ろう」のテーマで実施しました。
当日は、総合技術部の田村義彦部長の実験教室についての説明で始まり、参加者はそれぞれのテーマに分かれて実験に取り組みました。「スペクトル分光器を作ろう」では、はじめに講師の技術職員が、光のスペクトルとは何か、スペクトル分光器の作り方などを説明。子どもたちははさみやカッターナイフを使って台紙から分光器のパーツを切り出し、光を分けるための回折格子、波長を測るスケールなどを貼り付け、箱型に組み立てました。さらに色を塗ったり絵を描いたりして、自分だけの分光器を完成させました。最後に完成した分光器で、自然光、白熱灯、蛍光灯、LEDライトなどの白色の光や、ノートPCに表示させたさまざまな色を観察しました。子どもたちは、白い光が虹色に分かれるのを見て驚き、光の色の観察を楽しんでいました。
「3Dプリンターでオリジナル貯金箱を作ろう」では、パソコンで貯金箱のフタをデザインするグループと、貯金箱の本体に色塗りをするグループに分かれて、途中交代しながら作業を進めていきました。貯金箱のフタをデザインするグループでは、簡易的なモデリングソフトを使って、技術職員とテクニカルリサーチャー(TR)とで参加者を個別にサポートしながら、それぞれのオリジナリティのある形状のフタを完成させました。本体に色塗りをするグループでは、アクリル絵の具やマジックなどでそれぞれの貯金箱を自分好みの色に仕上げていました。最後にそれらを組み合わせ、自分だけの貯金箱を完成させました。また、3Dプリンターの原理の説明や、実施施設である工作センター内にある他の機械の見学も行い、子どもたちのみならず一緒に参加した保護者の方も興味深く見守っていました。
今年度の新しいテーマとして、本学学術研究院環境生命自然科学学域の沖原巧講師の協力のもと「消しゴムを作ろう」を実施しました。ポリ塩化ビニル(プラスチック)と、可塑剤(プラスチックが溶ける油)、炭酸カルシウムを混ぜてオリジナルの消しゴムを作りました。炭酸カルシウムはチョークの粉に岡山県産の牡蠣の殻を砕いたものを混ぜてあり、それぞれ好きな色を選んで量り取りました。可塑剤はこまごめピペットを使用して加え、全てを混ぜてから真空ポンプで脱気しました。参加者は、脱気中に泡が出て全体が膨らんできたように見える様子を興味深そうに観察していました。その後、シリコン型に流し込み、150℃の恒温槽で30分加熱し、氷水に漬けて固まるのを待って取り出しました。思った通りにできたものや固まり切らないものもありましたが、失敗も実験の成果の一つとして学んだ様子でした。
今回の活動について、総合技術部本部長である佐藤法仁副理事(研究・産学共創総括担当)・副学長(学事担当)・上級URAは「今年も開催できましたこと、関係者の皆さまに厚く御礼申し上げます。子どもたちにワクワク・ドキドキ感を伝えられることは、科学の再興・振興などにおいて重要なことだと考えています。今後もこのような取り組みを継続し、子どもたちの学びの芽をしっかりと育んでいきたいと思います」と、今後の意気込みも込めてコメントしました。
同部の地域貢献・科学啓発活動は、本学工学部の共催により実施しており、今後も学内外で小学生向けの講座を開催し、子どもたちが楽しく科学に触れられる活動を継続していきます。引き続き、地域中核・特色ある研究大学:岡山大学、そして総合技術部の活動にご期待ください。
<参考>
・総合技術部が「小学生のための工学実験教室2024」を開催
【本件問い合わせ先】
総合技術部 地域貢献ワーキンググループ
E-mail:tech-demae◎okayama-u.ac.jp
※◎を@に置き換えてください。
総合技術部HP
総合技術部が「小学生のための工学実験教室2025」を開催
2025年09月29日