本学は9月24~26日に、全学共通科目「地域の未来デザイン(実践編)」を井原市で開講し、本学の学生9人と、千葉大学、新潟大学、金沢大学、長崎大学、熊本大学の5大学から8人の学生が参加しました。
同科目は、人口減少に直面する中山間地域の問題を理解し、座学では理解しにくい現場の状況や市民の実際の声などをフィールドワークを通して学ぶもので、井原市ひとづくり推進本部(本部長・大舌勲市長)の協力を得て毎年開講しています。2024年度より国立六大学連携事業の一環として他大学の学生も対象としており、本学学術研究院教育研究マネジメント領域(公共知共創オフィス)の吉川幸准教授が指導と引率にあたるなか、地域活性化や地域での活動に高い問題意識を持つ本学学生と5大学の学生たちが、共に学び合いました。
初日には井原市教育委員会の藤井剛参事から市の概況や人口減少に取り組む姿勢などについて話を聞いた後、吉川准教授の指導のもと、話し手の言葉を書き起こしてひとつの文章にまとめることで話し手の語り口や人柄を通して、地域に住んでいる人たちの持つ知恵、ものの考え方などを学ぶ「聞き書き活動」について、その意義を考えたり、学生同士で練習したりしました。また、3日間の学びの舞台となる井原市を実際に歩くなどして観察しました。
二日目は協力者の市民10人を対象に、それぞれ1~2人の学生が実際に聞き書き活動を行いました。また、全員での交流会では、聞き書きで得たことの感想や地域活性化への考えを共有し、新たな気づきを得ました。夜には宿舎で、レゴ®を問いに沿って組み立てることで抽象的な思考を可視化する「レゴ®シリアスプレイ®」を用いた振り返り活動を行うなど、多彩なワークを通して、気づきを言語化する活動を行いました。
三日目には市長と教育長への表敬訪問の後、県立井原高等学校2年生の総合的な探究の時間に参加し、133人の高校生と共に、若い世代が考える地域の魅力について話し合い、活発な意見交換を行いました。高校生の何人かは、大学生活や受験勉強についてのアドバイスを得たいと、終了後も積極的に大学生に話しかけていました。
参加した学生は、プログラム全体を通して、過去から現在の地域の変遷や市民の経験や努力に学び、現在から未来へ向かう若者たちの声に耳を傾け、積極的に意見交換をすることで、中山間地域が抱える課題について多くの気づきを得ることができた様子でした。学生からは「実際にその土地に足を踏み入れて、五感で感じたり、地域の人の話を聞いたりすることは初めての経験だったのでとても良い機会だった」、「街を変えたいなら自分たちが当事者意識をもって街を作るんだという意識が大事だと気づいた」といった感想があがりました。
【本件問い合わせ先】
岡山大学学務部学務企画課教育支援グループ
TEL 086-251-7248
E-mail: dah8433◎adm.okayama-u.ac.jp
※@を◎に置き換えています。
本学と国立5大学の学生が、井原市でのフィールドワークを通して地域の問題などを学ぶプログラムに参加
2025年10月14日