国立大学法人 岡山大学

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玉野市 × OI-Start連携による観光客向けアンケート回収率向上の取り組み ~アート × テクノロジーで創る小さなイノベーション~

2025年10月24日

 本学が事務局を務める産学官連携プラットフォーム「おかやまデジタルイノベーション創出プラットフォーム(OI-Start)」は、会員である玉野市との連携により、観光客向けアンケートの回収率向上を目指す新たなプロジェクトを開始しました。 
 玉野市では、瀬戸内国際芸術祭に関連する来訪者アンケートの回収率の低さが課題となっていました。そこで、地域の魅力をより引き出しながら「多くの観光客に回答してもらえる仕掛け」をつくることを目的に、本学が支援役となり、地域・企業・学生ベンチャーが協働するプロジェクトが立ち上がりました。
 本プロジェクトは、今年5月に開催されたOI-Start主催のオープンイノベーションイベント「Match Up vol.3」での出会いをきっかけに実現しました。出展者として参加していた石塚王子ペーパーパッケージング株式会社新商品「パックポン」(牛乳パックを再利用した環境配慮型パッケージ)を、玉野市のアーティストがデザインし、アンケート回答者へのノベルティとして“トイカプセル”形式で配布する仕組みを採用しました。
 さらに、アンケートにタブレットで回答・送信すると、コインが自動的に発行され、そのコインでトイカプセルマシンを回せるという遊び心のある仕掛けを導入しました。この仕組みは、OI-Start会員である岡山大学発ベンチャー・株式会社MOSAdemyが開発したコイン自動排出装置によって実現したものです。来場者はアンケートに答えることで「トイカプセルマシンを回せる楽しみ」を得られることから、従来よりも回答率が大幅に向上しました。
 トイカプセルマシンは、多くの観光客が利用する宇野駅に設置され、夏会期に比べて回答数が大きく増加しています。大学・地域・企業・学生ベンチャーが一体となった仕掛けが功を奏し、地域活性化に向けた新たな成果が生まれました。また、「パックポン」のカーボンフットプリント(CFP)算定支援を、本学学術研究院社会文化科学学域・天王寺谷達将准教授の研究室が担当しており、環境負荷の見える化と地域産業のイノベーションを結びつけるモデルとしても注目されています。
 今回の取り組みは、OI-Startというプラットフォームを通じて、大学・行政・企業・学生ベンチャーが出会い、偶発的な“セレンディピティ”から新たな価値が創出された好例です。岡山大学は今後も、このような“小さなイノベーション”の連鎖を通じて、地域の課題解決と価値創出に貢献していきます。

【参考情報】
石塚王子ペーパーパッケージング株式会社「パックポン」についてのニュースリリース

【本件問い合わせ先】
研究・イノベーション共創機構 産学官連携本部 舩倉
TEL:086-251-7151
Email:co-creation◎adm.okayama-u.ac.jp
※@を◎に置き換えています。

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