RCE(地域の持続可能な発展のための教育)発足から20周年を迎える節目の年を記念して、国連大学・岡山市・RCE岡山共催による「第14回グローバルRCE会議」が10月21日から23日にかけて、岡山市で開催されました。2005年の発足以来、国連大学は世界各地で約200のRCEを承認しており、岡山はその発足時に設立されたRCEのひとつです。
本学は、同RCE本会議において、「Planetary-centered Universities at the Ethical Turn — Beyond SDGs toward Human & Planetary Well-being(地球的共生に奉仕する大学(Planetary-centered Universities)と倫理的転回:—SDGsを超えて、人と地球のウェルビーイングへ)」と題して公式セッションを開催しました。本セッションは、横井篤文副学長(グローバル・エンゲージメント担当)・ユネスコチェアホルダーが企画およびモデレーターを務め、高等教育の倫理的フロンティアを切り拓く世界的リーダーたちや国連ユース代表、本学学生が登壇し、意見を交わしました。
セッションでは、「持続可能性の危機は科学や政治の問題ではなく、倫理と世界観の危機である」との認識のもと、大学の使命を再考する議論が行われました。従来の人類の社会経済活動の拡大とそれらを支援する高等教育の在り方を問い直し、「人類を地球システムの一部として位置づける」地球的共生の視点への転換、すなわち「グローバル」から「プラネタリー」への移行が強調されました。さらにこの転換は、認識そのものの変革を意味しており、大学は地球的共生の再生を担う倫理的基盤のエコシステム(ethical ecosystems for planetary regeneration)として、その役割の再定義が急務であるとの提起がなされました。
今後も本学は、地域と地球のありたい未来の共創に向けて、マルチステークホルダーおよび多世代の連帯を通じて研究・教育・社会貢献の取り組みを加速させていきます。
<登壇者一覧>
・ラジャニ・ナイドゥ教授(英国エクセター大学 副学長/ユネスコ「高等教育経営」チェアホルダー)
・ダーラ・K・ディアドルフ博士(南アフリカ・ステレンボッシュ大学 ユネスコ「異文化間能力」チェアホルダー/異文化間能力モデル提唱者)
・ジュリー・ニューマン博士(米国マサチューセッツ工科大学(MIT)サステナビリティ・オフィス創設ディレクター/元イェール大学サステナビリティ・オフィス創設ディレクター)
・イラン・エンベルガ氏(国連SDG4-教育2030ハイレベルステアリング・コミッティ青年代表/国連総会2022会期中の教育変革サミットで「Youth Declaration」をグテーレス国連事務総長へ提出)
・アズラ・ナジラ・タチアラ氏(岡山大学グローバル・ディスカバリー・プログラム4年)
【本件問い合わせ先】
グローバルエンゲージメントセンター
TEL:086-251-8326(企画部国際企画課)
国連大学・岡山市・RCE岡山共催「第14回グローバルRCE会議」にて岡山大学による公式セッションを開催〜高等教育の倫理的転回と「地球的共生に奉仕する大学」のあり方を討議〜
2025年11月06日