国立大学法人 岡山大学

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岡山大学経済学会が講演会「プラットフォーム事業者の攻防」を開催

2025年11月21日

 本学経済学部の教員と学生でつくる岡山大学経済学会は11月14日、講演会「プラットフォーム事業者の攻防」を創立五十周年記念館で開催しました。経済学部の学生、大学院社会文化科学研究科の学生、教員、外部の参加者らが聴講しました。
 講演に先立ち、同学会の佐藤美里会長(学術研究院社会文化科学学域・教授)と村井浄信経済学部長があいさつを行いました。続いて、大阪大学大学院国際公共政策研究科教授(大阪大学栄誉教授、公正取引委員会競争政策研究センター所長)の松島法明氏が「プラットフォーム事業者の攻防」と題して講演しました。インターネット上の取引の多くは、企業や個人を結びつける「プラットフォーム」に支えられています。本講演では、デジタル経済における競争の新たな課題について、理論と実例を交えて解説が行われました。
 松島教授は、まずプラットフォームの基本的な仕組みを具体例とともに説明し、ネットワーク効果が利用者の便益を高める一方で、参入障壁や競争上の問題を生む可能性がある点に触れました。また、国際的に議論されてきた自己優遇行為について取り上げ、プラットフォーム事業者の行動が競争環境に与える影響を考察しました。
 さらに、近年注目されているデータ活用を巡る企業行動や、データの集中によって市場にどのような影響が生じるかといった議論を踏まえ、プラットフォーム市場におけるデータ、競争、規制の関係性を論じました。データの共有や活用のあり方が競争政策においてどのように位置づけられているのか、そして今後どのような政策対応が求められるのかについて、政策動向を交えながら説明が行われました。
 講演は、デジタル市場における事業者の行為が競争に与える影響について考察する学術的内容で、現代の競争政策の核心に迫り、プラットフォーム規制や競争政策の今後の方向性に示唆を与えるものでした。
 参加者は熱心に聴き入り、講演後には質疑応答が行われました。
 同学会は毎年、学外から著名な研究者を招いて講演会を開催しています。

【本件問い合わせ先】
学術研究院社会⽂化科学学域(経済)
教授 佐藤美⾥
TEL:086-251-7552

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