本学は、2025年8月から事務職員を対象に、新たな学内兼業制度「ジョブシェア制度」を導入しました。本制度は、部局の垣根を越えて多様な業務を経験することで、職員一人一人の高度化を促し、大学全体の組織力向上につなげることを目的としています。本学では、「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」の取り組みに基づき、知識を生かして新しい価値を生み出す力を持ち、柔軟な対応力と広い視野を備えた人材、“ナレッジワーカー”の育成を進めており、本制度はその一環でもあります。
前回のラオス・カンボジアに続く今回の取り組みでは、学務系部門および研究系部門からそれぞれ1人の若手職員が、国際部門の主任専門職員の指導を受けながら、11月18~21日にかけてタイの協定校・関係機関への表敬訪問、高校・大学での説明会実施、高校での海外進学フェアに参加しました。
本学協定校であるキングモンクット工科大学トンブリー校とカセサート大学への表敬訪問では、留学説明会において本学の取り組みを発表したほか、教職員や日本留学経験のある学生らと意見交換を行い、現行の留学制度やさらなる大学間連携の可能性について協議しました。また、日本学生支援機構(JASSO)タイ事務所や京都大学ASEAN拠点、ASEAN大学ネットワーク(AUN)への表敬訪問では、タイ人学生の日本留学事情や各機関が抱える課題と留学ニーズについて情報交換を行い、客観的に本学の魅力を再認識し、本学の取り組みを見つめ直す契機となりました。
さらに、海外留学フェアでは、現地トップレベルの高校生・大学生を中心に、保護者、教員を含む100人以上に本学の特色ある教育・研究、英語プログラム、奨学金制度、入試情報などについて紹介しました。来場者の質問に応じて一人ひとりと丁寧に対話しながら、本学の特色ある教育プログラムや支援体制、研究環境をアピールし、来場者からは「ぜひ岡山大学に留学したい」との声もありました。また、英語による説明や現地関係者とのコミュニケーションを通じて国際的な視野が広がり、現場の臨場感など通常業務では決して得られない貴重な経験となりました。
今回の国際業務への参加は、職員自身の業務と大学の国際展開がどのように結びついているのかを理解する機会となり、今後の業務改善やスキル向上に向けた気づきが多く得られました。また、異なる部局の職員が協働しながら、本学の魅力発信に取り組んだことで、学内の垣根を越えた協力体制の強化にもつながりました。
本学は、ラオス・カンボジアおよびタイでの国際研修を通じて得られた現地学生の反応やニーズの違いを比較、得られた知見・経験を言語化・体系化して整理し、報告会などの形でナレッジ共有することで、組織全体で知識(形式知)を共有・活用できるよう、取り組みを進めます。これにより、職員の高度化・国際化と連携強化を推進するとともに、アジア地域を中心とする国際展開を強化し、教育・研究・国際交流をさらに発展させていきます。
○参加者のコメント:
タイでの活動を通して、日本留学を検討する学生や教員の現場の声を聞くことができました。大学の事務所にいるだけでは、つい忘れてしまいそうになる「相手」を意識することができました。また、世界中の数ある教育機関の中で、岡山大学が選ばれるために、どのような在り方をすべきか考える大学職員として重要な学びを得ることができました。
現地では、他大学の取り組みや、現地学生の日本留学に対する生の声を直接聞くことができ、国際的な視野から本学の魅力や改善点を見つめ直す貴重な機会となりました。また、現地でのプレゼンテーションやフェアへの参加を通じて、本学の留学に関する制度や、相手に効果的に伝える方法について学ぶことができました。一方で、英語力の不足や本学の制度に対する知識不足など、自身の課題を改めて認識するとともに、魅力的な海外大学が数多く存在する中で、どのように本学を国際社会に向けてアピールしていくべきかという大学としての課題も実感しました。ジョブシェアという貴重な機会で得た経験を、今後の業務に生かしていきたいです。
【ジョブシェア参加者】
研究・イノベーション統括部産学連携課 事務職員 大石 英果
学務部学務企画課 事務職員 河合 勇輝
企画部国際企画課 主任専門職員 仁井 勇佑
【本件問い合わせ先】
岡山大学総務部人事課人材活用グループ
TEL:086-251-7029
E-mail:abg7029◎adm.okayama-u.ac.jp
※@を◎に置き換えています。
ジョブシェア制度を活用し、本学事務職員がタイ・バンコクで国際業務を実践
2025年12月08日