本学研究・イノベーション共創機構および本学が事務局を務める「おかやまデジタルイノベーション創出プラットフォーム(OI-Start)」は6月18日、J-PEAKS公開シンポジウム「AI時代をどう生き、未来をどう創るか ― Well-beingの視点から考える人間と社会の未来 ―」を開催しました。
本シンポジウムは、生成AIをはじめとするデジタル技術が社会、産業、教育、働き方を大きく変えつつある中で、人間社会が目指すべき「Well-being」をどのように実現していくかについて、産学官それぞれの視点から考える場として企画したものです。また、本学がJ-PEAKS事業において掲げる「地域と地球の未来を共創し、世界の革新に寄与する研究大学」の実現に向け、AI時代における人、地域、地球の持続可能な未来を考える機会として開催しました。
前半の講演では、まず慶應義塾大学の宮田裕章教授が登壇しました。宮田教授は、デジタル技術とデータの活用が進む現代を「文明の転換点」と位置づけ、従来の経済合理性や「最大多数の最大幸福」から、多様な価値が響き合う「最大“多様”の最大幸福(Better Co-being)」を目指す社会への移行について講演しました。特に、AIが答えを提示する時代においては「問いを立てる力」が重要であり、人間同士の関係にとどまらず、自然や未来世代との「つながりの質」を高めていくことの重要性が示されました。
続いて、本学の笹埜健斗特定教授(産学共創)が「生成AI時代の大学とウェルビーイング」と題して講演しました。笹埜特定教授は、生成AIの進展により、大学の価値が従来の「情報の伝達」から「判断の育成」へと移行していることを指摘しました。また、生成AI時代における真のウェルビーイングとは、「自分の学びが未来の現実に接続しているという実感」を持てることであると述べ、これからの大学教育のあり方について提起しました。
後半のパネルディスカッションでは、本学の狩野光伸副理事(未来人材創生(SDGs社会共創・DEI・附属学校園)担当)をモデレーターに、宮田教授、笹埜特定教授に加え、PwCコンサルティング合同会社の安井正樹代表執行役CEO、株式会社フジワラテクノアートの藤原加奈副社長を迎え、AI時代における人材育成、企業経営、地域社会、大学の役割などについて意見交換を行いました。
ディスカッションでは、来場者から寄せられた「AI時代に子どもたちが社会を生き抜く力を育むため、高校でどのような授業を展開すべきか」という問いも取り上げられ、教育現場における実践や、産学官が連携して次世代の学びを支えていく必要性について活発な議論が交わされました。これらの議論は、AIやデータを単なる技術革新にとどめるのではなく、人がよりよく生き、地域が未来に希望を持つための力として活用していくという、本学のJ-PEAKSの方向性とも重なるものです。
本イベントは、OI-Startにおける「AI×Well-being」ワーキンググループのキックオフとしても位置づけられています。本学およびOI-Startでは、今回のシンポジウムで共有された数多くの「問い」と「共鳴」を起点として、地域企業、教育機関、行政等とのネットワークをさらに強化し、AI時代のWell-beingを理念にとどめることなく、企業活動、地域づくり、人材育成、働き方改革などの実践へとつなげていきます。
今後も本学は、J-PEAKSで掲げるPlanetary Health、Community Health、Human Healthの実現に向け、AIやデータを人と社会の可能性を広げる力として活用しながら、地域と地球の未来を共創する研究・教育・社会共創を一層推進していきます。
【参考】
・おかやまデジタルイノベーション創出プラットフォーム(OI-Start)
※本シンポジウムの模様がRSK山陽放送で取り上げられました。
※OI-Startでは、産学官連携によるイノベーション創出に関心のある企業・団体・個人の皆さまからの会員参加を随時受け付けています。ご関心のある方は、ぜひOI-Startへのご参加をご検討ください。
【本件問い合わせ先】
OI-Start事務局
産学官連携コーディネーター 河野・田中・長尾
(岡山大学自然科学系総合研究棟6F第1区画)
TEL:080-7178-7277、090-7185-8436
E-mail:oi-start◎okayama-u.ac.jp
※@を◎に置き換えています。
AI時代の未来を、Well-beingの視点から考える-J-PEAKS公開シンポジウム「AI時代をどう生き、未来をどう創るか」を開催-
2026年06月24日