本学は6月20日、岡山県立岡山芳泉高等学校から要請を受け、同校の「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」活動を支援する高大連携事業として、生徒35人を対象とした「3Dプリンタ講座(基礎編)」を開催しました。
この取り組みは、ICTを活用した文理横断的な探究学習や情報教育を強化する高校を支援する、本学の事業支援活動強化の一環として昨年度に引き続き実施されたものです。同校は、生徒1人1台のiPadを導入してICT教育を積極的に進める「学校情報化優良校」であり、本学による専門的な技術サポートを通じて探究学習のさらなる深化を目指しています。
当日は、同校の1年生24人、2年生9人、3年生2人の合計35人の生徒が実習に参加しました。昨年度に実施したセミナーでは、3Dプリンタ自体の仕組みや作動原理といった「ハードウェアの理解」に重点を置いていましたが、今年度は生徒たちがより実践的にデジタル技術を使いこなせるよう、プログラムを「基礎編」と「応用編」の2回に分けた段階的な構成へ進化させました。
今回の「基礎編」では、3台の3Dプリンタを駆使し、参加者全員が主体的に機材を操作しました。より高度で実用的な3D CADソフトウェアである「Fusion(Autodesk Fusion)」を採用し、自らのアイデアを迅速に物理的な形にする「ラピッドプロトタイピング」を進めるための基礎技術を習得しました。
本プログラムは、本学学生が代表を務めるベンチャー、株式会社MOSAdemyの清水優椰代表(大学院環境生命自然科学研究科博士後期課程3年)や同社に所属する本学の学部生・大学院生らのチームが企画・運営を担当しました。MOSAdemyは、幼稚園や学校などの教育現場でロボットや3Dプリンタの体験活動を展開し、ものづくりの楽しさを広く伝える活動に力を入れています。今回は、学生指導体制の持続可能性と活動の継続性を確保するため、清水代表が見守る中、平井愛唯奈さん(大学院環境生命自然科学研究科博士前期課程2年)がメイン指導に挑戦しました。
本講座は、3Dプリンタを単なる見学対象にするのではなく、自らのアイデアを具現化するための「道具」として自在に使いこなせるようになることを目標としています。生徒たちには次回7月25日に予定されている「応用編」に向けて、軽くて頑丈な構造を持つ「橋」を自ら設計し、実際に作成して持参するという宿題が課されました。自らのアイデアを仲間とともにデジタルで形にしていくプロセスのなかで、エンジニアリングの思考と主体的な探究力を育みます。
次回の「応用編」では、生徒たちが作成した橋にセンサーを取り付け、耐荷重や構造上の評価データを実際に測定する予定です。測定したデータを収集・解析することを通じて、ものづくりの設計から検証に至る「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の実際のプロセスを体験的に学び、データに基づく課題の発見と予測、およびその解決へとつなげる高度な探究学習を展開していきます。
本学は今後も、DXハイスクール活動への伴走支援を通じて、未来の科学技術を担う次世代デジタル人材の育成を積極的に推進していきます。また、各校のニーズや課題に細やかに応じる多様なDX支援メニューを用意しており、デジタル技術を生かした特色ある学校づくりや探究活動の活性化を目指す他校の教育関係者の皆さまからの積極的なご相談やご活用を歓迎しています。本支援を通じて、最先端のデジタル技術に触れた高校生の皆さんが、将来は本学でさらに高度な知見を深め、培った技術を新たな価値として地域社会へ還元する頼もしいリーダーへと成長していくことを期待しています。
写真提供:岡山芳泉高等学校、Mosademy、岡山大学
【本件問い合わせ先】
研究・イノベーション共創機構 研究企画戦略室
上級URA 佐藤 浩哉
E-mail:sato.hiroya◎okayama-u.ac.jp
※@を◎に置き換えています。
【DXハイスクール】岡山県立岡山芳泉高等学校で3Dプリンタ講座を開催 ~高度な3D CAD「Fusion」と3Dプリンタ3台を駆使した自律的なものづくり探究を支援~
2026年07月01日