国立大学法人 岡山大学

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半導体業界のスペシャリストを招聘し「企業の技術経営戦略」の講義を実施 ~経営戦略論IでJEITA専門家がゲスト講義 ~

2026年08月04日

 本学が中心となって推進する岡山半導体研究教育推進委員会は、7月9日に、経済学部専門教育科目「経営戦略論Ⅰ」(学術研究院社会文化科学学域 西田陽介教授)の講義において、半導体を題材とした「企業の技術経営戦略」に関するゲスト講義を実施しました。
 講師として、半導体業界で43年間にわたる業界活躍歴をお持ちの秋山裕明氏(一般社団法人電子情報技術産業協会半導体部会、マイクロンメモリジャパン株式会社 Director, External Relations Advisory)をお招きしました。ご自身も「当初は半導体に興味はなかったが、業界に携わるうちに面白さを知り、今が一番面白い産業だと感じている」と語られる通り、豊富な実践的経験に基づき、半導体が現代社会の基盤技術としていかに不可欠か、そして日本の半導体産業が直面した課題と今後の展望について解説されました。
 当日は130人以上の経済学部学生が対面受講し、秋山氏の講義に熱心に耳を傾けました。秋山氏は、スマートフォンや自動車の制御、AIデータセンターなど、半導体がないと社会機能が停止するほど現代社会に深く浸透している現状を説明。さらに、かつて世界シェアの過半を占めた日本の半導体産業が停滞した理由(投資競争の敗北、意思決定の遅れなど)を分析した上で、日本の復活の鍵となる「チョークポイント戦略」について言及しました。シリコンウエハーやフォトレジストなどの素材、および半導体製造装置においては、日本は非常に高い世界シェア(約30%〜90%以上を占める分野も)を持っており、日本の半導体産業復活の鍵は、材料や製造装置で握る「チョークポイント」の活用にあり、代替困難な技術や製品を強みに、世界の先端企業を引きつけ共同開発や投資を呼び込む戦略であると解説されました。
 受講した学生からは、以下のような感想が寄せられています。
・半導体が社会を支える基盤であると実感し、技術力だけでなく独自の戦略や長期的な取り組みの重要性を学んだ。経営判断が競争力を左右するという点に、経営戦略論とのつながりを実感できた。
・日本の半導体が特定の分野で高いシェアを持つことに驚き、企業の経営戦略や人材不足の課題に関心を持った。理系だけでなく、文系学生である自分にも活躍の場があることを知り、視野が広がった。
・秋山氏の『興味』ではなく『出会い』で仕事と向き合う姿勢に感銘を受けた。半導体産業の歴史や衰退の背景を知り、迅速な意思決定や『選択と集中』という経営戦略の重要性を深く学んだ。

 岡山半導体研究教育推進委員会は、2023年度から「半導体人材育成」関連講座を開設し、2025年度には関係5講座全体での受講者400人超にまで成長させてきました。
 今年度は、大学院のサブプログラムとして実践半導体教育岡山大学VISTAプログラムが整備され、その中核的講義、先端半導体テクノロジー講座を4月9日に開講しました。
また、入門講座として、数式を使わず中学校理科の知識から説き起こす、先端半導体テクノロジー入門を開設しています。8月7日、10日の2日間の講座で、半導体の基礎から最新の動向までを学び、実務や研究につながる知識を身につけます。今回の秋山氏による講義後、刺激を受けた経済学部の数名の学生が受講申込を行いました。
 さらに、単なる理論だけでなく実践的な理解を深めるため、2026年2月には半導体工場の見学を企画し、学生が実際の製造現場や技術の現状を肌で感じられる機会を設けてきました。今年度も複数の工場見学を実施していく予定です。
 本学は今後も、半導体を含む理系分野の教育と研究を強化し、次世代を担う人材の育成に貢献していきます。

【本件問い合わせ先】
岡山大学大学院環境生命自然科学研究科
コーディネーター(特任) 宮本 定
E-mail:miyamoto.sadamu◎okayama-u.ac.jp
    ※@を◎に置き換えています

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