本学は、文部科学省「先端研究基盤刷新事業(EPOCH)」(実施主体:国立研究開発法人科学技術振興機構(JST))に採択され、8月21日に開催された本学の「8月定例記者発表(学長発表)」で公開しました。
本事業は、「第7期科学技術・イノベーション基本計画」の期間中に、我が国の研究基盤を刷新し、若手を含めた全国の研究者が挑戦できる魅力的な研究環境を実現するため、全国の研究大学等において、地域性や組織の強み・特色等も踏まえ、技術職員やURA等の人材を含めたコアファシリティを戦略的に整備。あわせて、研究活動を支える研究設備等の海外依存や開発・導入の遅れが指摘される中、研究基盤・研究インフラのエコシステム形成に向けて、産業界や学会、資金配分機関等とも協働し、先端的な研究設備・機器の整備・共用・高度化を推進する事業です。事業期間は、本年度から10年間です。
本学は、「人的資本による知と技の共創の場が切り拓く、我が国の研究環境・基盤の刷新~先端研究・経済安全保障の強化促進を担う開かれた研究基盤拠点~」のプロジェクト名のもと、プロジェクト統括を佐藤法仁副理事(研究・産学共創総括担当)・副学長(学長担当)・技術副総監・上級URAが担当します。
整備・強化する共用拠点は、本学の強みある考古学や地球科学を軸にした「微量元素イメージングx年代分析共用拠点」と、同じく強みあるヘルスケアを軸にした「セラノスティクス共用拠点」の2つです。前者は我が国の文化・地球史の解明における経済安全保障を含めた試料分析の国内完結を実現するとともに、全国に散在している機器・ノウハウなどを本学に集約することでユーザーの利便性の飛躍的向上や機器強化等を図ります。将来は、ヘルスケア分野への展開や全国的に珍しい人文系×自然科学系機器共用拠点の創出等を進めます。後者はがんや難治性疾患を分子レベルで可視化して根治する診断(diagnostics)と治療(therapeutics)を合わせたセラノスティクス(theranostics)という概念が広がりはじめ、新規医療開発の中心の一つになりつつある分野であり、我が国初の当該分野の共用拠点となります。
また共用拠点や機器共用(コアファシリティ)を担う技術職員ら人材についても養成・専門化・高度化・流動化・国際化の各分野において取り組みを強化推進し、本学のみならず我が国の先端研究基盤の刷新を先導、牽引できる“技術者”を輩出します。さらには経済安全保障にも大きく関係するヘリウムリサイクルシステム(He3プロジェクト)の強化や設置費・修理費・保守費・撤去費の4経費が不要な画期的なレンタル・リースプラットフォーム「SX(Shared Transformation)プラットフォーム」の強化など、国内外から集結する優秀な新メンバーらとともに我が国の研究基盤を支える取り組みをより一層強化します。
今回の採択についてプロジェクト統括を担当する佐藤法仁副理事・副学長・技術副総監・上級URAは、「我が国の研究基盤、そして大学のみならず関係する産業界を巻き込んだ全体強化を強力に推進する本事業に採択されたこと、うれしく感じるとともに大きな責任を感じています。採択大学は、『結果』が求められています。それは自身の大学がどうこうではなく、我が国全体に対してです。研究基盤の刷新を起点に、我が国の科学の再興とイノベーション創出を牽引する。本学は、中四国地域から我が国全体を巻き込み、将来にわたり永続的に研究基盤を支え、発展させる矜持・責任のもと決断・実行します」とコメント。今後の事業推進に意欲を見せました。
本学は2023年度に「地域中核・特色ある研究大学強化推進事業(J-PEAKS)」の採択を受けて、スピード感を持ち、従来の考えや前例踏襲を廃した大学改革を強力に推進しています。J-PEAKSの「我が国の研究大学群の形成」という役目から、本学の取り組みについて広く公開し、横展開も推進しています。また積極的に政策提言等も行っています。今回のEPOCHも自身の大学や1大学がどうこうではなく、我が国の先端研究基盤を刷新するという矜持と責任のもと、多様なステークホルダーとともに邁進します。どうぞ開かれた地域中核・特色ある研究大学:岡山大学とEPOCH採択大学の取り組みにご期待ください。
〇那須保友学長のコメント
先端研究基盤刷新事業(EPOCH)を申請する際、教育研究評議会において「採否に関わらず取り組みを実施する」と経営判断しました。私は、「事業が採択されたら実施する」という姿勢ではダメだと考えています。もちろん経費の面もありますが、必要な経費を捻出することも経営層の役目であり、実際に今回も自己経費を億単位で投入する予定です。これは我が国の科学技術・イノベーション政策において、研究基盤に対する大きな判断、転換点であり、かつラストチャンスとも言える刷新の場面において、J-PEAKSを担う研究大学として本学が波に乗らないのはあり得ないと判断しました。
今後、全国でのデータ運用や各大学の共通的な取り組みの調整などが起こると思います。採択大学の限定合理性を越えて、真に我が国を支える研究基盤の刷新となるように、しっかり責務を果たします。ぜひEPOCHにご期待ください。
〇分析機器・科学機器総合展(JASIS 2026)EPOCHセミナーについて
千葉市美浜区の幕張メッセ国際展示場で開催される「JASIS 2026」(入場料無料、事前登録制)において、JST主催「全国の研究者が挑戦できる魅力的な研究環境の実現に向けて~先端研究基盤刷新事業(EPOCH)が描く新たな研究基盤~」が、9月4日(金)10:00~12:30に同国際展示場201会議室で開催されます。皆さまのご来場をお待ちしています。
<参考>
・国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)「先端研究開発基盤刷新事業(EPOCH)」ホームページ
・文部科学省・JST「先端研究基盤刷新事業(EPOCH)」の採択について~人的資本による知と技の共創の場が切り拓く、我が国の研究環境・基盤の刷新~(2026年8月定例記者発表:学長発表)
【本件問い合わせ先】
岡山大学 研究・イノベーション共創管理統括部 先端研究基盤刷新事業担当
TEL:086-251-7115
E-mail:corefacility◎adm.okayama-u.ac.jp
※@を◎に置き換えています
岡山大学J-PEAKS HP
文部科学省・JST「先端研究基盤刷新事業(EPOCH)」に採択~人的資本による知と技の共創の場が切り拓く、我が国の研究環境・基盤の刷新の実現へ~
2026年08月27日