本学客員教授・名誉教授の神崎浩・京都女子大学高等教育開発センター教授と日本オリーブ株式会社(岡山県瀬戸内市、代表取締役社長:服部芳郎)が共同で進めてきた、オリーブ葉の微生物変換による高機能性化粧品の開発に関する研究成果が、2026年度「日本農芸化学会中四国支部技術賞」を受賞しました。授賞式および受賞講演は、9月10日に鳥取市で開催された日本農芸化学会中四国支部創立25周年記念2026年度中四国支部大会(第75回講演会)で行われました。
受賞業績は「未利用資源オリーブ葉の微生物変換による高機能性化粧品の開発」です。本研究では、これまで十分に活用されてこなかったオリーブ葉に含まれる成分に着目し、微生物の働きを利用して新たな高機能性成分を創出するとともに、その大量生産技術を確立し、実際の化粧品として社会実装した点が高く評価されました。
本学と日本オリーブ株式会社は1997年からオリーブ葉に関する共同研究を進めてきました。研究の中では、オリーブ葉に特徴的なポリフェノール「オレウロペイン」を微生物の力で特異的に構造変換することにより、高い抗酸化力を持つ新規物質「Bオリボール(B-Olivol)」を創出しました。
一方、研究成果を実際の製品へとつなげるためには、発酵臭の解消や安定した大量生産など、さまざまな技術的課題を克服する必要がありました。本学では、多数の微生物の中から有用な菌を探索し、オリーブの花から「オリーブ花由来黒酵母」を発見するとともに、培養条件などについて研究を重ねました。
また、岡山県工業技術センターから、機能性評価や商品化に向けた実践的な技術指導などの協力を得ることで、研究成果の実用化を大きく前進させました。本学、日本オリーブ株式会社、岡山県工業技術センターによる産学官の連携により、研究成果を高機能性化粧品として社会実装することができました。
これらの研究成果をもとに、本学と日本オリーブ株式会社はBオリボールやオリーブ花由来黒酵母に関する特許を共同で取得しています。さらに、研究成果を活用した高機能性化粧品がこれまでに5製品発売されるなど、基礎研究から実用化・商品化まで長期にわたる産学官連携の成果へと発展しています。
今回の受賞では、①微生物変換技術を活用した新規物質「Bオリボール」の創出、②オリーブ花由来黒酵母の発見と大量生産技術の確立、③これまで十分に活用されてこなかったオリーブの葉や花を高付加価値な素材へ転換し、地域産業の活性化や持続可能な資源利用につなげたことなどが評価されました。
神崎客員教授は、「基礎研究の段階では、オリーブ葉という未利用素材が持つ『眠れる力』を、いかにして産業へと昇華させるかという点に腐心しました。地道な実験の積み重ねが、この度の技術賞という形で社会的な裏付けを得られたことを、非常に光栄に思います。地域の企業との産学連携により、科学的な研究に加えて商品開発にもつなげられる事例として、将来、この学会で同じような活動が広がっていくことを期待しています」とコメントしています。
本学では今後も、地域企業や公設試験研究機関などとの連携を一層推進し、大学の研究成果を地域産業の発展や新たな価値の創出につなげていきます。
【本件問い合わせ先】
研究・イノベーション共創機構産学官連携本部
TEL:086-251-8918
Email:co-creation◎adm.okayama-u.ac.jp
※@を◎に置き換えています。
日本オリーブ株式会社との共同研究成果が「日本農芸化学会中四国支部技術賞」を受賞― 未利用資源オリーブ葉の微生物変換による高機能性化粧品の開発 ―
2026年09月15日