国立大学法人 岡山大学

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モンゴル国立教育大学と資源循環をテーマとした国際PBLを実施-ゴルワンサイハン・ソムの地域課題解決に向けて-

2026年10月06日

 岡山大学教育学部・大学院教育学研究科は、「インターナショナル・チャレンジ」・「教育実践演習D」の授業として、モンゴル国立教育大学と連携し、モンゴル国ドンドゴビ県ゴルワンサイハン・ソムにおいて、地域のごみ問題の解決と資源循環社会の実現をテーマとした国際PBL(Project-Based Learning:課題解決型学習)を実施しました。
 ゴルワンサイハン・ソムは、首都ウランバートルから車で約7時間の場所に位置する地域。本プログラムには、岡山大学の学部生、大学院生、教職大学院に在籍する現職教員に加え、モンゴル国立教育大学の学生および大学教員が参加しました。異なる専門性や立場を持つ参加者が協働し、地域が抱えるごみ問題を、生活文化、教育、環境、健康などの複数の視点から捉え、地域に適した資源循環のあり方について検討しました。
 活動では、ゴルワンサイハン・ソムでの生活やフィールドワークを通して、地域におけるごみの発生や処理の実態について調査研究を行いました。現地のごみ処理の状況を確認するとともに、地域でどのようなものが廃棄物となり、どのように処理されているのかについて実態調査を行いました。その過程で参加者が着目したのは、伝統的な生活様式と、近年広がりつつある消費型の生活様式との関係です。ゲルを中心にした生活では、限られた資源を有効に活用し、できるだけ廃棄物が出ない暮らしが営まれている一方、地域の中心部では、ペットボトルやビン・缶、プラスチック製の容器包装など、地域内で循環させることが難しい物質が生活に入り込むことで、新たなごみ問題が生じていることに目を向けました。
 そこで、「何をどのように捨てるか」という廃棄物処理の問題だけではなく、「ごみとされているものを、どのように再び資源として地域の循環に組み込むことができるか(3Rs)」という視点から課題を捉え直しました。岡山大学とモンゴル国立教育大学の学生・教員は、現地で得られた情報をもとに、地域関係者と意見交換を行いながら、資源回収、再利用、生ごみの資源化、環境教育などについて検討し、単に理想的な循環モデルを提示するのではなく、人口規模、生活様式、移動距離、既存の地域資源など、ゴルワンサイハン・ソムの実情を踏まえ、地域で実現可能な方法を協働的に考えました。
 また、PBLの一環として、参加学生らは現地の小学校で授業を実施しました。子どもたちが身近な生活からごみ問題を捉え、「捨てればごみになるものも、見方や使い方を変えることで資源になり得る」ことについて考える体験的な学習を行いました。大学生が地域課題について学ぶだけではなく、調査研究から得られた問題意識を学校教育へ還元することで、学校を資源循環社会づくりの一つの拠点として位置づける可能性についても検討しています。今回の活動では、環境問題を単独の「ごみ処理問題」として捉えるのではなく、人々の暮らし、教育、地域環境、健康と相互に関係する社会課題として捉えています。廃棄物の散乱や不適切
な処理による生活環境への影響は、人々の健康やWell-beingとも関係するため、環境の健全さと人間の健康を切り離さず、地域社会全体の持続可能性という視点から議論を行いました。
 さらに、今回の活動を契機として、ゴルワンサイハン・ソムの行政と学校、モンゴル国立教育大学、岡山大学が連携し、地域に適した資源循環の仕組みについて継続的に検討していく方向性が共有されています。今後は、今回の調査で得られた知見をもとに、地域における資源循環の実態や課題をさらに明らかにするとともに、真庭モデルに関する視察の受け入れや学校教育と地域実践を結び付けた資源循環モデルについて共同研究を進めていく予定です。大学における教育・研究活動を地域社会における具体的な変化へとつなげ、学校、行政、大学が協働することによって、持続可能な地域づくりに向けたソーシャルインパクトの創出を目指します。
 岡山大学では今後も、「インターナショナル・チャレンジ」等を通して、海外大学や地域社会との国際共修を推進するとともに、学生が現実の社会課題を調査・分析し、多様な主体と協働しながら解決方法を構想・実践する教育研究活動を展開していきます。

【本件問い合わせ先】
学術研究院教育学域 准教授 原祐一
yuichi◎okayama-u.ac.jp
※@を◎に置き換えています。

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