本学では、坂本惇司助教(学術研究院環境生命自然科学学域)と田中健太助教(学術研究院環境生命自然科学学域)に「研究准教授」の称号を付与しました。6月23日 に称号付与式を開催し、那須保友学長より認定証が手渡され、両氏の研究内容について紹介を行いました。
○坂本研究准教授の研究について
坂本研究准教授は、金属材料の破損原因の多くを占める「金属疲労」の克服に向けた研究に取り組んでいます。疲労破壊は、材料内部に発生した微小なき裂が徐々に進展することで生じるため、その挙動を正確に評価することが重要です。坂本研究准教授は、集束イオンビーム(FIB)加工を用いて材料中に実際の疲労き裂を再現した「模擬き裂」を人工的に作製する独自手法を確立しました。これにより、き裂の発生や進展過程を詳細に分析することが可能となり、き裂損傷による振動特性の変化を利用した非破壊検査手法や、構造物の長寿命化技術の開発を進めています。さらに、貴金属の室温圧着現象に着目し、き裂面の再結合を活用した金属疲労治癒手法の開発にも取り組んでいます。これらの研究成果は、社会インフラや産業機械の安全性向上と長寿命化への貢献が期待されています。
○田中研究准教授の研究について
田中研究准教授は、太陽光をエネルギー源とする「光触媒」の開発に取り組んでいます。従来の光触媒には希少金属が必要とされる場合が多い一方で、田中研究准教授は炭素などの有機元素のみで構成される新たな触媒を設計しました。この触媒は、可視光の中でもエネルギーの低い緑色光を吸収して分子内の電子を励起させ、さまざまな酸化還元反応を促進します。また、従来課題であった光分解されやすい性質に対しては、分子構造を工夫することで安定性を向上させました。現在は、この触媒を活用して従来よりも少ない工程で医薬品原料などを合成する研究を進めています。その一例として、可視光による酸臭化物を経由したカルボン酸誘導体の一段階合成法の開発に取り組んでおり、短工程かつ低エネルギーな医薬品合成技術の実現を目指しています。また、関連する触媒は東京化成工業(TCI)の製品開発にも活用されており、今後は人工光合成への応用も視野に研究を展開しています。
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○岡山大学研究教授・研究准教授制度について
岡山大学では、研究力強化促進と若手研究者育成の観点から、優れた研究業績を有する研究者への全学的な支援を実施しています。その一環として、講師・助教を対象に「研究准教授」、准教授を対象に「研究教授」の称号を付与し、研究活動のさらなる発展を支援しています。
【本件問い合わせ先】
岡山大学 研究・イノベーション共創機構
TEL:086-251-8405
坂本惇司助教、田中健太助教に岡山大学「研究准教授」の称号を付与
2026年10月07日