本学は9月17~19日、全学共通科目「地域の未来デザイン(実践編)」を井原市で開講し、本学の学生17人と、千葉大学、新潟大学、熊本大学の3大学から5人の学生が参加しました。
同科目は、人口減少に直面する中山間地域の現状や課題について、座学だけでは捉えにくい現場の状況や市民の声に触れながら学ぶフィールドワーク型の授業です。井原市ひとづくり推進本部(本部長・大舌勲市長)の協力を得て毎年開講しており、2024年度からは国立六大学連携事業の一環として他大学の学生も参加しています。本学学術研究院教育研究マネジメント領域(公共知共創オフィス)の吉川幸准教授が指導・引率するなか、地域活性化や地域での活動に関心を持つ学生たちが、大学や学年の垣根を越えて共に学びました。
初日は、教員によるオリエンテーションの後、井原市教育委員会の藤井剛参事から、市の概況や人口減少への取り組みについて説明を受けました。その後、顔合わせのワークショップを通して参加学生同士が打ち解け、3日間の学びの舞台となる井原市を実際に歩きながら、地域の様子を観察しました。
2日目には、県立井原高等学校2年生の「総合的な探究の時間」に参加し、123人の高校生とともに、若い世代から見た地域の魅力について話し合いました。大学生と高校生の間で活発な意見交換が行われ、終了後には、大学生活や受験勉強について大学生に質問する高校生の姿も見られました。この日の夜には美星天文台を訪れ、地域の自然や文化を支える施設についても学びました。あいにくの天候のため星空を観測することはできませんでしたが、国内最大級の公開天文台に設置された巨大望遠鏡について詳しい解説を聞いたほか、4D2U(4次元デジタル宇宙)による宇宙の立体映像を体験しました。地域の課題だけでなく、地域が持つ資源や魅力にも目を向ける機会となりました。
3日目は、地域住民の語りを聞き、その言葉を一つの文章にまとめる「聞き書き活動」に取り組みました。学生たちは、話し手の語り口や人柄を通して、地域に暮らす人々が培ってきた知恵やものの考え方を学ぶ「聞き書き」の意義について考えた後、学生同士で練習を行い、地域の協力者12人に対して、1~2人ずつで聞き書きを実践しました。聞き書きでは、市長、副市長、教育長をはじめ、日頃から井原市の活性化について考え、地域で活動している人々から直接話を聞きました。学生たちは、それぞれの立場から地域の現在やこれまでの歩み、地域の未来に向けた思いを聞くことで、人口減少という一つの課題を多様な視点から捉える機会を得ました。
また、今回の参加者には、一昨年度このプログラムに井原高等学校の高校生として参加した学生もおり、今年は岡山大学の学生として再び井原市を訪れました。高校生と大学生という異なる立場から同じ地域を見つめる経験は、本プログラムが継続的な学びの場となっていることを示す一つの事例となりました。
学生たちは、地域を実際に歩き、高校生と語り、地域で活動する人々の話に耳を傾けるなかで、地域の過去から現在、そして未来へと続く営みに触れました。こうした多様な世代や立場の人との対話を通して、地域が抱える課題だけでなく、地域にある資源や、地域の未来をつくろうとする人々の思いについても考える3日間となりました。
【本件問い合わせ先】
岡山大学学務部学務企画課教育支援グループ
TEL:086-251-8434
E-mail:dah8433◎adm.okayama-u.ac.jp
※@を◎に置き換えています。
本学と国立3大学の学生が井原市でのフィールドワークを通して地域の課題を学ぶプログラムに参加
2026年10月13日