国立大学法人 岡山大学

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革新的診断法で植物をウイルスから守る 叡智共有化プラットフォームを開催

2015年06月09日

 本学と公益財団法人岩手生物工学研究センター(岩手生工研)、岩手県農業研究センターは5月28~29日、岩手県北上市の岩手生工研で、植物をウイルス病害から守る研究についてのワークショップ「第1回革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム 網羅的RNAウイルス検出技術DECS法」を開催しました。
 農業現場では、ウイルスによる植物への被害が原因の経済的・文化的損失が、世界的に問題となっています。そのため、ウイルスの早期診断や感染防止の研究開発が求められています。
 岩手生工研が開発した網羅的RNAウイルス検出技術であるDECS法は、タンパク質を用いて植物ウイルス由来の2本鎖RNAを検出し、その塩基配列情報より感染ウイルス種を同定する技術です。同法の社会実装を進める岩手生工研の関根健太郎主任研究員が病害診断に関わる研究者や実務者などを集め、DECS法の実習を行いました。
 本学からは、本学大学院自然科学研究科(工学系)の世良貴史教授が先導・革新的人工核酸結合タンパク質を用いたウイルス不活性化技術の確立と社会実装について報告しました。加えて、本学が研究拠点を務める農林水産省「革新的技術創造促進事業(異分野融合共同研究)」として、コンソーシアム・プログラム・マネージャー(研究管理総括役)を務める佐藤法仁リサーチ・アドミニストレーター(URA)が事業説明と革新的なウイルス診断・防除法の研究開発と推進のあり方について紹介しました。
 基調講演も行われ、東北大学大学院農学研究科植物病理学分野の宮下脩平助教が「ウイルス社会学から考える防除技術開発」と題して、ウイルスが生存する環境に着目した防除技術の開発のアイデアなどについて講演しました。
参加した国、都道府県公設試験研究機関の関係者や大学の研究者などは、最新技術の普及と国内の病害防疫業務の高度化のため、熱心に実習に取り組んだほか、講演に聴き入りました。
 なお、本ワークショップは、本学が研究拠点を務める農林水産省「革新的技術創造促進事業(異分野融合共同研究)」において得られた最新研究の叡智を社会に広めるために実施する「革新的ウイルス対策技術分野叡智共有化プラットフォーム」の取り組みとして実施されました。今後も農林畜産水産分野や社会を革新する研究開発を精力的に押し進め、社会実装を目指します。

【本件問い合わせ先】
大学院自然科学研究科(工学系)教授 世良貴史
TEL:086-251-8194

(15.06.09)


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