本学全学教育・学生支援機構は12月15日、「大学職員として、障がいのある学生への対応で心がけてほしいこと~新たに始まった『障害者差別解消法』を理解する~」と題したFD・SD研修会を津島地区の一般教育棟で開催しました。
本学は、障がいのある学生を含む全ての学生が快適に教育を受けられる環境づくりに取り組んでいます。この研修は、その一環として障がいのある学生への対応について理解を深めることを目的に2部構成で実施。教員や事務職員約60人が参加しました。
第1部は「障害学生支援について~『障害のある学生の修学支援に関する検討会』での検討状況を中心に~」と題し、文部科学省高等教育局学生・留学生課の小代哲也課長補佐が講演。同省での「障害のある学生の修学支援に関する検討会」の検討状況に基づき、学生に対する合理的配慮の検討においては支援を求める学生との建設的対話が必要であること、合理的配慮を行う場合は教育の本質部分を変えないことが重要であることなどを指摘しました。さらに、大学においては、障がいのある学生に対する支援のための全学的な体制の整備や幅広い連携体制の構築、理解促進・意識啓発の取り組みが求められることなどを説明しました。
第2部は、「岡山大学の障がい学生支援のシステムと発達障がいのある学生への窓口対応で心がけてほしいこと」と題し、学生総合支援センターの原田新准教授が講演。本学の障がいのある学生に対する支援の流れについて、学生本人を交えた個別支援連絡会議を開催し、対話により具体的に実現可能な配慮内容を決定していくことなどを解説しました。続いて、発達障がいのスペクトラムの考え方について説明した上で、“自閉症スペクトラム障がい”への対応として、コミュニケーションと相互交流の困難、興味・関心・活動の限定と感覚への特異な反応などの特性を理解し、丁寧な対応を心がけることが必要と指摘。紙に書きながら説明するなど視覚的に示す、抽象的な言葉ではなく、具体的な言葉で説明するなどのアドバイスを送りました。
参加者からは、「国の最新の検討状況が聞けて良かった」、「障がいのある学生に対する具体的な対応の方法を知ることができて良かった」などの感想が寄せられました。
※本研修は、全学教育・学生支援機構 教育開発センター、学生総合支援センターが共催。
FD…ファカルティ・ディベロップメント、教員が授業内容と授業方法を改善し向上させる取り組み
SD…スタッフ・ディベロップメント、職員の資質・能力を向上させる取り組み
スペクトラム…連続体を意味する。発達障がいの特性には濃淡があり、濃いか薄いかの明確な境界線は定められていない。
【本件問い合わせ先】
学務部学務企画課教育支援グループ
TEL:086-251-8424
(16.12.27)