国立大学法人 岡山大学

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ベトナム・ハイフォン医科薬科大学と「国際臨床研究デザインワークショップ2017」を開催

2017年11月15日

 本学大学院医歯薬学総合研究科は11月3~4日、ハイフォン医科薬科大学と共同で、国際的な枠組みの中で臨床研究をより良く実施するためのデザインを学ぶワークショップ「国際臨床研究デザインワークショップ2017」(International Clinical Research Designing Workshop2017)をベトナム社会主義共和国ハイフォン市で開催しました。
 現在、医療の現場では研究を行う際の「デザイン」が重要になっています。臨床現場の課題や仮説、データの抽出方法、解析、それら全般から得られる体系的理論をもとに、より良い臨床研究を実施することが医学の発展のみならず、医療を受けるさまざまな人たちに恩恵をもたらします。また国際社会の中において、日本国内のみのデザインではなく海外連携におけるベストなデザインを描くことが重要です。本学でも長年、「臨床研究デザインワークショップ」を開催し、質の高い臨床研究を実施できる人材の育成を行っています。
 今回のワークショップは両大学の教職員がファシリテーターを務め、目指すべきゴールを明確にした上で、グループ毎に設定された課題についてデザイン思考による検討を進めました。ワークショップの参加者らは、慣れない点も互いに補い合いながら課題を解決していきました。
 大学院医歯薬学総合研究科(歯)インプラント再生補綴学分野の窪木拓男教授(ハイフォン医科薬科大学名誉教授)は開会のあいさつで、「ハイフォン医科薬科大学が世界から知識や技術を吸収するだけでなく、世界に新しい情報を発信できるよう生み出す力を育てるのが私たちの仕事です」と本ワークショップの意義や重要性、今後の展望について話しました。また、ハイフォン医科薬科大学のファム・ヴァン・リエウ(Pham Van Lieu)歯学部長もこれまでの本学歯学部との取り組みや、ワークショップから広がる今後の展開について大きな希望を持っていることなどを述べました。
 ハイフォン医科薬科大学は、2010年に本学歯学部と部局間協定、2015年に本学と大学間交流協定を締結しています。また、2014年には本学歯科医師を同大学に派遣し、「国際歯科センター」を開設。日本企業の進出に伴い急激に増加している北部ベトナム在住現地邦人の高度歯科医療拠点の役割を担いつつ、同大学等の歯科医師、学生の教育研究を指導する組織としても活躍しています。さらには歯学部3年次の短期海外留学制度「ODAPUS」(Okayama Dental study Abroad Program for Undergraduate Students)や国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の日本・アジア青少年サイエンス交流事業「さくらサイエンスプラン」などを利用して、活発に教育研究人材の育成を行っています。今後もさらなる交流をもとに、国際社会で多様に活躍できる“医療実践人”の輩出に力を入れていきます。
 なお、本事業は平成29年度「国際異分野共同による教育研究を核とする国際社会人共同博士号取得拠点の形成事業の全学展開促進プロジェクト支援経費」により支援を受けた「国際臨床研究デザインワークショップや教育研究センターの共同運用を核としたベトナム北部有名医療系大学との連携大学院構想(実施責任者:窪木拓男)」により実施しました。

【本件問い合わせ先】
大学院医歯薬学総合研究科(歯学系)教授 窪木拓男
TEL:086-235-6682

(17.11.15)

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