国立大学法人 岡山大学

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2019年ノーベル化学賞受賞者の吉野彰・旭化成株式会社名誉フェローに名誉博士号を授与し、特別講演会を開催

2020年10月23日

 本学は10月22日、2019年ノーベル化学賞受賞者の吉野彰・旭化成株式会社名誉フェローに、岡山大学名誉博士号を授与しました。同日、吉野名誉フェローによる特別講演会も開催しました。
 本学は2009年から、学術文化や本学の教育研究への貢献が顕著な方を、名誉博士号の称号を授与して顕彰しており、吉野名誉フェローは7人目の授与者となります。
 この日、本学創立五十周年記念館で開催した授与式では、槇野博史学長が「吉野先生の功績は、SDGs 達成への貢献をミッションとした『SDGs 推進研究大学』である本学においても顕彰させていただくことがふさわしいため、その功績を称え、岡山大学名誉博士号を授与させていただきます」と述べ、吉野名誉フェローに名誉博士記を授与。吉野名誉フェローは「私がノーベル化学賞を受賞した理由の一つに、リチウムイオン電池の発明が、これからサステイナブル(持続可能)な社会の実現に大きな貢献をすると期待されたから、ということが挙げられます。岡山大学が注力しておられるSDGs達成に向けた活動と、私のこれから進めていく研究は相通ずるものだと思っています」とあいさつされました。
 授与式に続けて特別講演会を実施し、吉野名誉フェローが、「リチウムイオン電池が拓く未来社会」と題して講演。ご自身の生い立ちやリチウムイオン電池開発までの研究の軌跡をご紹介いただいたほか、サステイナブルな社会の実現に向け、AI(人工知能)を搭載した自動運転車を社会全体でシェアすることにより、交通問題だけでなくエネルギー問題などさまざまな課題を解決する社会像を提示されました。最後には、本学学生に向け、「研究していて壁にぶつかることは必ずありますが、壁を越えるたびにゴールに近づくことができます。一生懸命さと能天気さのバランスをとりながら頑張ってください」とエールをいただきました。本講演会は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、会場への来場者数を絞ってオンラインでの同時開催とし、本学学生・教職員計約800人が参加登録・聴講しました。
 特別講演会終了後には、大学院博士後期課程学生や本学若手研究者との意見交換会も実施し、吉野名誉フェローから参加者に対してさまざまなアドバイスをいただきました。

○吉野彰・旭化成株式会社名誉フェローのご紹介
 吉野名誉フェローは1981年に新型二次電池(バッテリー)の研究に着手され、1985年に世界で初めてリチウムイオンバッテリーの基本構造を完成されました。
 リチウムイオンバッテリーは高容量で、従来の電池より使用可能時間が大幅に長く、さらに小型かつ軽量という特長も併せ持つため、IT社会の進展とともに急速に普及し、現在、スマートフォンやノートパソコンなど多くの電子機器で使用されており、現代社会を生きる我々の生活に欠かせない基盤の一つとなっています。また、高性能で繰り返し充電できるため、電気自動車、家庭用蓄電システムに使われるなど、その用途が拡大しており、環境への負荷が少ないことから、持続可能な社会の実現に向けて大きな役割を果たすことが期待されています。
 吉野名誉フェローはこれらの功績を称えられ、「文部科学大臣賞科学技術功労者」、「紫綬褒章」など数々の栄誉ある賞を受賞されています。その功績は国際的にも高く評価され、2019年12月にはスウェーデン王立科学アカデミーより「ノーベル化学賞」を授与されました。

【本件問い合わせ先】
 研究協力部研究協力課 
TEL:086-251-8462 
E-mail:kikou◎adm.okayama-u.ac.jp
※@を◎に置き換えています。

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