国立大学法人 岡山大学

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AIを用いたステレオビジョン空間計測技術で泳ぐ魚の計測に成功-水槽内を泳ぐメダカなどの非接触寸法計測が可能-

2022年11月15日

◆発表のポイント

  • 観賞用として人気があるメダカやグッピーの飼育を助けるコンピュータビジョンシステムの開発に成功しました。
  • メダカの水槽の横にカメラをセットし側面から魚の様子を左右カメラで撮像し、泳ぐメダカの位置姿勢と寸法を瞬時に計測するシステムです。
  • メダカは20~40mm程度の体長で、種類により画像認識の難しさがありますが、本システムを用いることで、メダカの色や形状の多様性に対応した寸法計測が可能となります。

 岡山大学発ベンチャー ビジュアルサーボ・岡山大学学術研究院自然科学学域(工)の見浪護特命教授と、大学院自然科学研究科 非常勤研究員の寇鄴郡さん(当時)、同研究科 非常勤研究員の高橋蓮也さんは、ステレオビジョンを用いた空間計測について研究を行い、任意対象物の3次元位置姿勢を計測するコンピュータビジョン構築に成功しました。泳ぐ魚の3次元位置姿勢の計測が可能なためカメラ-魚間の距離が算出でき、魚の寸法を正確に計測できます。観賞魚や食用のサケマスの養殖では魚の非接触寸法計測へのニーズがあり、魚の給餌・育成管理が可能となることから自動養殖技術につながります。
 本研究では、メダカの自動寸法計測にチャレンジし、成功しました。メダカの体長は30mm程度で、同サイズのルアーでは標準偏差、平均誤差はいずれも1mm以下で計測可能です。メダカは種類により、金、銀、ラメと多彩で形状も異なります。この多様性がコンピュータによるメダカの寸法計測を困難にしていました。そこで対象魚の写真を計測モデルとすることで、対象とするメダカのコンピュータへの指示が容易になりました。
 また、写真で指示することは、成長とともに変化する魚の色・模様などの特徴の変化にも影響されない計測を可能とします。水槽の側面から気中カメラで覗き込んで計測する方法と、飼育水槽内に設置した水中カメラで計測する方法があり、選択可能です。
 魚は飼育状態で計測できるため、魚に優しい計測方法です。次ページにメダカ計測結果と計測精度を示します。


<詳しい研究内容について>
AIを用いたステレオビジョン空間計測技術で泳ぐ魚の計測に成功― 水槽内を泳ぐメダカなどの非接触寸法計測が可能 ―

<お問い合わせ>
岡山大学発ベンチャー ビジュアルサーボ
岡山大学学術研究院自然科学学域(工)
特命教授 見浪 護

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