国立大学法人 岡山大学

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口の健康を維持するために定期歯科健診受診の向上に必要なことは何か?

2022年11月30日

◆発表のポイント

  • 国民皆歯科健診が話題となっていますが、現在の定期歯科健診の受診率は低いままです。
  • 定期歯科健診の受診の意志に影響を及ぼす因子を調べるため、歯磨き習慣などの口腔衛生行動、健康信念モデルおよびリスク回避性との関連について調査しました。
  • 定期歯科健診受診の意志は口腔衛生行動、健康信念モデル、それぞれとの関連があり、リスク回避性とは関連はみられませんでした。
  • 関連のある因子を理解することによって今後定期歯科健診の受診率の向上を目指すことができる可能性があります。

 口の健康を維持していくためには定期歯科健診の受診が大事になっていきます。しかし、高校卒業後は、歯科健診を受けるのは自分の意志次第になるため継続して受診する人が少ないのが現状です。そこで、定期歯科健診の受診の意志に影響を及ぼす因子を調べることを目的に、岡山大学の学生を調査しました。岡山大学病院歯科・予防歯科部門の角田伊知郎医員、岡山大学学術研究院医歯薬学域予防歯科学分野の森田学教授らの研究グループは口腔衛生行動、健康信念モデルが定期歯科健診の受診の意志に関連があること、そしてリスク回避性は関連がないことを明らかにしました。本研究成果は、令和4年 10月26日、学術雑誌「International Journal of Environmental Research and Public Health」にオンライン掲載されました。
 本研究の結果から、歯科健診受診の意志に関連する因子に基づいたアプローチをしていくことで、今後の歯科健診の受診行動を改善し、口の健康が良くなる人が増えていく可能性があります。

◆研究者からひとこと

 予防歯科で歯科健診をする機会がとても多く、色々な人の口の中を日々見ています!若い人のむし歯や歯周病は比較的少ないですが、大学生の間にも増えてしまいます。
 若いころから予防に目を向けていないことを勿体無く感じます。少しでも定期的に口の中をチェックして健康な歯を維持していく人が増えると良いと思います。

角田医員

■論文情報
論 文 名:The Impact of Oral Health Behaviors, Health Belief Model, and Absolute Risk Aversion on the Willingness of Japanese University Students to Undergo Regular Dental Check-Ups: A Cross-Sectional Study
掲 載 紙:International Environmental Research and Public Health
著 者:Ichiro Sumita, Naoki Toyama, Daisuke Ekuni, Takayuki Maruyama, Aya Yokoi, Daiki Fukuhara,Yoko Uchida-Fukuhara, Momoko Nakahara, Manabu Morita
D O I:10.3390/ijerph192113920
U R L:https://doi.org/10.3390/ijerph192113920

<詳しい研究内容について>
口の健康を維持するために定期歯科健診受診の向上に必要なことは何か?


<お問い合わせ>
岡山大学学術研究院医歯薬学域(歯)
予防歯科学 教授  森田 学
(電話番号)086-235-6712 (FAX)086-235-6714

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