国立大学法人 岡山大学

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木を搾る技術を開発し、木質バイオマス燃料の製造を効率化

2022年12月16日

◆発表のポイント

  • 木材をストローのように導管方向に圧搾する事で、効率的に脱水ができる事を明らかにした。
  • 木材以外にも竹や草本類にも使用可能で、バイオマス燃料製造に役立てられる。
  • 同時に水溶性リグニンを採取する事ができ、新規素材開発にも期待できる。

 岡山大学学術研究院医歯薬学域病理学(免疫病理)の大原利章助教、松川昭博教授、異分野融合先端研究コアの仁科勇太研究教授、高砂熱学工業株式会社の湯浅憲課長、木村健太郎主席研究員、カスケード資源研究所の古藤田香代子所長らの研究グループは、ローラー式圧搾機を用いて木材をストローのように圧搾する事で、効率的に脱水し、水溶性リグニンを得る技術を開発しました。木材はこれまでもバイオマス発電の原料として利用されてきましたが、発電効率を上げるためにコストを掛けずに含水率を下げる事が課題でした。本技術は圧搾のみで、含水率を35%以下に下げる事ができ、新たなバイオマス発電の原料の製造技術として用いる事が可能です。
 同時に採取される水溶性リグニンは抗ウイルス性等の機能性があるだけでなく、ナノ炭素など新素材の原料となる可能性が期待されます。本成果は、2022年10月22日に廃棄物資源循環学会の英文誌である「Material Cycles and Waste Management」にオンライン掲載されました。

◆研究者からひとこと

木材の圧搾時に、効率的に脱水できる方法を発見しました。
バイオマスを用いた地産地消型のエネルギー循環を促進し、カーボンニュートラルに役立つ事が期待されます。

大原助教

■論文情報
論 文 名:A Novel Mechanical Plant Compression System for Biomass Fuel and Acquisition of Squeezed Liquid with Water-soluble Lignin as Anti-virus Materials
掲 載 紙:Journal of Material Cycles and Waste Management
著  者:Toshiaki Ohara, Ken Yuasa, Kentaro Kimura, Shiho Komaki, Yuta Nishina, Akihiro Matsukawa
D O I:https://doi.org/10.1007/s10163-022-01531-5
U R L:https://link.springer.com/article/10.1007/s10163-022-01531-5

■特許情報
 名称:木質燃料製造システム及び方法
 公開番号:特開2022-35743
 出願日:令和2年 8月21日

■研究資金
 本研究は、高砂熱学工業株式会社の支援を受けて実施しました。

<詳しい研究内容について>
木を搾る技術を開発し、木質バイオマス燃料の製造を効率化


<お問い合わせ>
岡山大学学術研究院医歯薬学域 免疫病理学
助教 大原 利章
(電話番号)086-235-7143

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