国立大学法人 岡山大学

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睡眠中の歯ぎしりは食物繊維摂取量と関連している可能性を世界で初めて発見

2023年05月24日

岡山大学
ノートルダム清心女子大学


◆発表のポイント

  • 睡眠中の歯ぎしりは「歯が欠ける」「歯周病が悪化しやすくなる」「顎の関節が痛くなる」などの悪影響を及ぼすことがあります。
  • 睡眠中に歯ぎしりをする大学生は、歯ぎしりをしない大学生と比較して、食物繊維の摂取量が少ないことを明らかにしました。
  • 今後の研究によって、食物繊維の摂取で、睡眠中の歯ぎしりを減少できることが期待されます。

 岡山大学学術研究院医歯薬学域の外山直樹助教・江國大輔准教授・森田学教授(当時)およびノートルダム清心女子大学食品栄養学科の長濱統彦教授・小見山百絵准教授・山下美保准教授らの研究グループは、睡眠中に歯ぎしりをする大学生は食物繊維の摂取量が少ない傾向にあることを明らかにしました。睡眠中の歯ぎしりは口の健康に重大な悪影響を及ぼすことがあり、その対処はマウスピースによる歯の保護などが主流になっています。しかし、歯ぎしり自体を減らす根本的な治療法は見つかっていません。本研究結果は、睡眠中の歯ぎしりの新たな対処法の提案になるだけでなく、食物繊維摂取量改善にも寄与する可能性があります。
 本研究は2023年3月31日にスイスの学術誌「Journal of Clinical Medicine」のオンライン版に掲載されました。
 今後は食物繊維を摂取することで本当に睡眠中の歯ぎしりが減るのか検証していく必要があります。

◆研究者からひとこと

最近は乳酸菌の応用に代表されるように、質の高い睡眠をとることが大きなトピックになりつつあり、睡眠市場も拡大しています。本研究は新たな視点から睡眠の改善の可能性を示唆するものです。
今後は食物繊維を摂取することで睡眠に良い影響を及ぼすかについて、検証していきたいと思います。

外山助教

■論文情報
論 文 名:Nutrients Associated with Sleep Bruxism
掲 載 紙:Journal of Clinical Medicine
著  者:Toyama Naoki, Daisuke Ekuni, Daiki Fukuhara, Nanami Sawada, Miho Yamashita, Momoe Komiyama, Takahiko Nagahama, and Manabu Morita
D O I:10.3390/jcm12072623
U R L:https://www.mdpi.com/2077-0383/12/7/2623

■研究資金
本研究は、日本学術振興会科学研究費の支援を受けて実施しました(JP 20K18805)

<詳しい研究内容について>
睡眠中の歯ぎしりは食物繊維摂取量と関連している可能性を世界で初めて発見

<お問い合わせ>
岡山大学学術研究院医歯薬学域予防歯科学分野
准教授 江國 大輔
(電話番号)086-235-6712
(FAX)086-235-6714

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