国立大学法人 岡山大学

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がん治療時の口(くち)の痛みを和らげたい。新規口腔粘膜保護材を開発!

2023年06月14日

岡山大学
サンメディカル株式会社
株式会社モリタ

◆発表のポイント

  • がん化学療法時に多発する口腔粘膜炎の痛みを和らげる効果が期待される新たな口腔粘膜保護材を開発し、医療機器の承認を取得しました。
  • 従来の治療法である口腔粘膜炎の表面を保護するのではなく、口腔粘膜炎表面が触れる「歯」に充填することによって、接触痛を和らげる効果が期待されます。
  • 現在、岡山大学病院において、化学療法中のがん患者さんを対象に、開発した口腔粘膜保護材の効果(有効性と安全性)を検討する特定臨床研究を実施しています。

 岡山大学学術研究院医歯薬学域歯周病態学分野の大森一弘准教授・高柴正悟教授、岡山大学病院新医療研究開発センターの伊東孝助教、岡山大学学術研究院医歯薬学域生体材料学分野の入江正郎博士研究員、サンメディカル株式会社、株式会社モリタの研究グループは、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)の橋渡し研究戦略的推進プログラム(シーズB)の支援を受け、がん化学療法時に多発する口腔粘膜炎の痛みを和らげる効果が期待される新規口腔粘膜保護材(商品名:ソフトプロテクターCPC)を開発し、2023年5月23日に医療機器(クラスⅡ)の承認を取得しました。
 口腔粘膜炎はがん化学療法中に口唇や舌に発症して、激しい痛み(主に接触痛)のため、食事や会話が困難となったり、歯磨きができなくなったり、と生活の質(QOL)を著しく低下させます。
 今回開発した口腔粘膜保護材は、従来の口腔粘膜炎表面の保護を目的としたものではなく、粘膜炎表面が触れる「歯」に充填することによって、接触痛の緩和を目指すものです。現在、新たな口腔粘膜炎治療法としての応用を目指して、特定臨床研究を岡山大学病院で実施しております。

◆研究者からひとこと

長年担当していた歯周病患者さんが血液がんを発症し、がん化学療法に伴う口腔粘膜炎の痛みに苦しまれていた状況を打破したく、今回の口腔粘膜保護材を開発するに至りました。口腔粘膜炎の痛みをさらに緩和できる新たな治療法の確立を目指して、引き続き頑張ります!
大森一弘 准教授

■研究資金
 本研究は、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)の橋渡し研究戦略的推進プログラム・シーズBの支援を受けて実施しました。
 研究開発課題名:がん化学療法に伴う口腔粘膜炎の疼痛緩和・発症制御を目指す新規口腔粘膜保護材の開発
 課題番号:JP20lm0203147

<詳しい研究内容について>
がん治療時の口(くち)の痛みを和らげたい。新規口腔粘膜保護材を開発!


<お問い合わせ>
岡山大学 学術研究院医歯薬学域 歯周病態学分野
准教授 大森一弘
(電話番号)086-235-6677
(FAX)  086-235-6679

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