国立大学法人 岡山大学

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蛋白質脱リン酸化酵素によるO-GlcNAc転移酵素の新たな制御機構を解明

2023年06月28日

◆本研究のポイント

  • O-GlcNAc型糖鎖修飾は蛋白質の機能を制御する重要な翻訳後修飾の一つである。
  • O-GlcNAc型糖鎖転移酵素(OGT)の局在は蛋白質脱リン酸化酵素(PP2A)の阻害により変化した。
  • OGTとPP2Aの相互作用は栄養やインスリンシグナルに関わる分子機構を制御すると考えられる。

 岡山大学学術研究院医歯薬学域(口腔形態学分野)の岡村裕彦教授,池亀美華准教授とガジャマダ大学(インドネシア・ジョグジャカルタ市)を中心とする国際共同研究グループは,蛋白質翻訳後修飾に重要な蛋白質脱リン酸化酵素(PP2A)とO-GlcNAc転移酵素の相互調節機構について解析しました。O-GlcNAc転移酵素(OGT)は通常は核内に存在し,核内蛋白質の糖鎖修飾を行っています。骨芽細胞においてPP2A阻害剤処理により,OGTは核内から核外へと移行しました。本成果は,蛋白質脱リン酸化酵素による蛋白質翻訳後修飾の新たな調節機構を解明するものであり,2023年2月26日科学雑誌「Biochimcal and Biophysical Research Communications」に掲載されました。
 本研究は,「生理的現象における蛋白質翻訳後修飾の調節メカニズム」の重要性と複雑性を改めて示す科学的根拠として注目されます。

◆研究者からひとこと

蛋白質の翻訳後修飾,特にリン酸化と糖鎖修飾の相互作用については,未知の点が多く,今後も解明を続けます!
岡村教授

Heriati Sitosariさん
(大学院3年)

■論文情報
論文名:Inhibition of protein phosphatase 2A by okadaic acid induces translocation of nucleocytoplasmic O-GlcNAc transferase
掲載誌:Biochimcal and Biophysical Research Communications
著者:Sitosari H, Morimoto I, Weng Y, Zheng Y, Fukuhara Y, Ikegame M, Okamura H.
DOI:10.1016/j.bbrc.2023.01.033.
URL:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0006291X23000645?via=ihub

<詳しい研究内容について>
蛋白質脱リン酸化酵素によるO-GlcNAc転移酵素の新たな制御機構を解明


<お問い合わせ>
岡山大学学術研究院医歯薬学域(岡山大学大学
院医歯薬学総合研究科・口腔形態学分野)
教授 岡村裕彦
(電話番号)086-235-6630
(FAX番号)086-235-6634

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