国立大学法人 岡山大学

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海洋プラスチックの撲滅を目指して、カンボジア・水上集落の住民参画型プラスチックごみ分別に挑む!(中間報告)

2023年06月28日

◆発表のポイント

  • 海洋プラスチックの汚染を防止するためには,陸からのプラスチックごみの流出を止めなければなりません。このプロジェクトでは,カンボジア・トンレサップ湖の水上集落において,村全体のPETボトル分別リサイクルを立ち上げるために,分別リサイクルシステムの提案,啓発教材の作成と説明会,村代表リーダー達に対する研修,そしてクリーンアップイベント開催を行ってきました。その経過を7月12日13:00から共育共創コモンズ(OUX:オークス)において報告致します。

 海洋プラスチックの汚染を防止するためには,陸からのプラスチックごみの流出を止めなければなりません。ごみ収集がない水上の村では,プラスチックごみを集めてリサイクルまで行う必要があります。JICA草の根協力事業「カンボジア・トンレサップ湖における水上集落住民参画型プラスチック汚染対策」では,昨年3月よりカンボジア・トンレサップ湖に浮かぶ水上集落であるパットサンディ・コンミューン(村の集まり)において,全村あげてのPETボトル分別リサイクルを立ち上げるための支援を行ってきました。これまでに,ごみ分別リサイクルシステムの提案,啓発教材の作成,市民への分別説明会,村代表リーダー達に対するカンボジア国内での研修,そして世界環境デーに向けたクリーンアップイベントの開催を実施しました。その結果,研修に参加したリーダー達が動いて,ごみ分別リサイクルのための運営組織を作ることになりました。これから本格的なごみ分別リサイクルが始まります。
 JICAプロジェクトチームは,2023年7月12日13:00から共育共創コモンズ (OUX:オークス)においてわれわれがこれまでに行った活動の経過と今後の予定について詳しく報告致します。

◆研究者からひとこと

カンボジア・トンレサップ湖に何度も足を運び,現地のリーダーや市民の方々と触れ合いました。一緒に,処分場を見学したり,資源ごみの買取業者へヒアリングしたり,同じものを食べたり,ミーティングをする中で,村のリーダー達はプラスチックごみの問題やその対処を真剣に考えているのだとわかりました。また,クリーンナップイベントでは100名を超える多くの市民が参加してくれましたが,約半分ぐらいは学校の子供たちでした。村の中に散らばっているプラスチックごみを熱心に集めてくれました。子供たちの笑顔が素晴らしかったです。みんながこの問題について認識しているものの,解決するためのきっかけや良い方法がないこと,実現のために強いリーダーシップが必要なことが良く分かりました。
藤原教授

■研究発表等
論 文 名: Plastic waste composition analysis for floating villages in Tonle Sap Lake, Cambodia
会 議 名:3RINCs(The 3R International Scientific Conference on Material Cycles and Waste Management) , 13 March, 2023
著  者: Sakinah binti Abdullah, Habuer, Takeshi Fujiwara, Vin Spoann, Chandara Phat, Makoto Tsukiji
発表会プログラム https://www.3rincs.org/

■研究資金
 本研究は、JICAの支援を受けて実施致しています。
名称:草の根協力事業「カンボジア・トンレサップ湖における水上集落住民参画型プラスチック汚染対策事業」(草の根協力型)
期間:2022年3月~2024年4月

<詳しい内容について>
海洋プラスチックの撲滅を目指して、カンボジア・水上集落の住民参画型プラスチックごみ分別に挑む!(中間報告)

<お問い合わせ>
岡山大学大学院環境生命自然科学研究科
 附属低炭素・廃棄物循環研究センター
教授 藤原健史
(電話番号)086-251-8994(FAX)086-251-8994

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