次世代人材の発掘: 岡山大学病院が高校生と共に医療DXを推進
2023年08月31日
◆発表のポイント
- AI発展に伴うITエンジニア需要の高まりから、デジタル人材が不足している。
- 高校生のうちから医療課題を認識することで、将来的な医療DX人材育成を目指す。
- デジタルネイティブ世代の柔軟な感性を以て医療DXの将来を見据えた開発に取り組む。
社会全体でDX(デジタルトランスフォーメーション)推進が急務となっている中、最近のAI技術の急速な発展は、多岐にわたる分野でITエンジニア不足を慢性化させています。巨大企業が人材確保のために巨額な資金を投じ、ベンチャー企業が優秀な学生を次々に引き抜く中、有能なエンジニアの獲得が一段と厳しい状況となっています。特に医療分野におけるDXは、企業の収益に寄与するプロジェクトから優先されるため、実際の患者や医療従事者が望むDX事業の推進が難しい状況にあります。その上、医療の特殊性から、医療知識がなければDX開発が困難なことも顕著な問題となっています。このような背景の中で、岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)医療情報化診療支援技術開発講座の長谷井嬢准教授(整形外科)が、画期的な取り組みとして関西高校と連携し、高校生の雇用を開始しました。この取り組みは、高校生から医療DXに関する実務経験を積みながら、未来の医療DXエンジニアを育成する目的を果たすものです。このプロジェクトによって、現場の声に基づく真に必要な医療DX開発の推進が期待され、また、新たな世代のエンジニアが医療業界に育成されることで、今後の医療DXにおいて新しい風となることを期待しています。
◆研究者からひとこと
医療DXの推進のためには、人材の確保の問題が世界的に深刻になっています。医療DXについて少しでも興味を持ってくれるITエンジニアを育成するために、この度、関西高校との連携により高校生を3人雇用しました。岡山大学病院で勤務する高校生は初めてですが、AIやDXに関わる仕事においてはデジタルネイティブである彼らの思考や、柔軟な適応能力は大きな発展性を秘めています。今後も高校と大学の連携拡大を進め、医療DXの未来に携わる人材の育成とプロダクトの開発を強力にすすめます。 | 長谷井准教授 |
<詳しい発表内容について>
次世代人材の発掘: 岡山大学病院が高校生と共に医療DXを推進
<お問い合わせ>
岡山大学 学術研究院医歯薬学域(医)
医療情報化診療支援技術開発講座
准教授 長谷井 嬢
(電話番号)086-235-7273 (FAX)086-223-9727