国立大学法人 岡山大学

LANGUAGE
ENGLISHCHINESE
MENU

トランス男性は低用量のテストステロン補充療法で十分な筋肉量増加を達成できる!~体組成変化の長期研究~

2024年04月24日

◆発表のポイント

  • トランスジェンダー男性に対するホルモン療法の効果(主に筋肉量増加)を研究しました。
  • 治療開始1年までに筋肉量の大きな増加を認めましたが、以降も緩やかな増加を認めました。
  • 長期的には低用量のホルモン投与量で十分な効果が得られますが、1年以内は高用量の方がより早く大きな筋肉量増加をもたらす可能性があります。

 岡山大学病院泌尿器科の富永悠介助教、小林知子助教らの研究グループは、トランスジェンダー/性別不合の方に対するホルモン療法に関する研究を行ってきました。今回の研究においては、トランス男性に対する男性ホルモン(テストステロン補充)療法の10年に渡る長期的な身体変化を証明しました。ホルモン投与量が多い群と少ない群を比較したところ、治療開始初期(3カ月、6カ月)では多い群で筋肉量増加の効果が高い結果となりましたが、1年以降では明らかな差を認めませんでした。
 本研究成果は、「Andrology」誌に2024年4月2日にオンラインで掲載されました。

◆研究者からひとこと

 岡山大学病院は全国有数のジェンダーセンターを設置し、岡山県内外から多くのトランスジェンダーの方が来院されて診断や治療を受けています。今回の体組成の研究により、ガイドラインが整備されて多くのトランスジェンダーの方が安心して治療を受けることができるようになることを期待しています。
富永助教

■論文情報
論 文 名:Trans men can achieve adequate muscular development through low-dose testosterone therapy: A long-term study on body composition changes
掲 載 紙:Andrology
著  者:Yusuke Tominaga, Tomoko Kobayashi, Yuko Matsumoto, Takatoshi Moriwake, Yoshitaka Oshima, Misa Okumura, Satoshi Horii, Takuya Sadahira, Satoshi Katayama, Takehiro Iwata, Shingo Nishimura, Kensuke Bekku, Kohei Edamura, Morito Sugimoto, Yasuyuki Kobayashi, Masami Watanabe, Yuzaburo Namba, Yosuke Matsumoto, Mikiya Nakatsuka, Motoo Araki
D O I:https://doi.org/10.1111/andr.13640
U R L:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/andr.13640

<詳しい研究内容について>
トランス男性は低用量のテストステロン補充療法で十分な筋肉量増加を達成できる!~体組成変化の長期研究~


<お問い合わせ>
岡山大学病院 泌尿器科
助教 富永 悠介
(電話番号) 086-235-7287
(FAX)   086-231-3986

年度