国立大学法人 岡山大学

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岡山大学病院に「神経内分泌腫瘍センター」を設立~神経内分泌腫瘍診療のさらなる充実を目指して~

2024年05月23日

◆発表のポイント

  • 岡山大学病院に「神経内分泌腫瘍センター」を設立しました。
  • 神経内分泌腫瘍の正確な診断や、多彩な治療方針(内視鏡的治療、ホルモン症状緩和治療、手術、薬物治療、放射線治療(PRRTや外照射)、肝動脈塞栓術、ラジオ波焼灼療法)のほか、ゲノム医療、遺伝医療などの幅広い診療を科横断的に行います。
  • 患者のみなさまに最先端の神経内分泌腫瘍診療を提供できる体制を整えています。

 2024年4月1日、岡山大学病院に「神経内分泌腫瘍センター」を設立しました。神経内分泌腫瘍は罹患率が人口10万人あたり6人未満の『希少がん』に分類される悪性腫瘍です。体のさまざまな部分に発生し、消化器領域(消化管・肝臓・胆道・膵臓)がその半数以上を占め、呼吸器領域がそれに続きます。消化器領域を中心として2019年にその病理学的診断基準が整理されています。
 病理分野では形態学のみならず遺伝子情報も踏まえた診断が要求され、その診断が治療法に直結するので病理医と治療医との連携が極めて重要です。画像診断ではCT、MRI、PETに加えてオクトレオスキャン検査で転移の有無、また質的診断を行うことが重要です。根治治療としては切除が行われますが、根治できない患者さんでも腫瘍量を減らすことに意義がある場合には減量手術が行われます。また、ホルモン分泌が多い腫瘍(インスリノーマ、ガストリノーマなど)には内分泌的なアプローチが必要となります。広範囲の転移を有するなどで切除ができない場合には抗がん剤、分子標的薬、抗ホルモン剤などの薬物療法、放射線治療の一種であるペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)、他に肝臓病変への局所治療が行われます。また、がんゲノム医療や遺伝性腫瘍としての神経内分泌腫瘍への適切なアプローチも必要です。最近では小さな膵神経内分泌腫瘍に対する国内初の内視鏡的な局所治療を岡山大学病院が中心となって行っています。
 これらの診療には経験豊富な複数科の専門医、多職種の医療連携が重要です。岡山大学病院に神経内分泌腫瘍センターを設置することでこの連携をより一層強化し、高いレベルの診療を行うとともに地域医療の核として各医療機関における診療のサポートが可能となります。


<詳しい内容について>
岡山大学病院に「神経内分泌腫瘍センター」を設立~神経内分泌腫瘍診療のさらなる充実を目指して~


<お問い合わせ>
岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)消化器・肝臓内科学
教授 大塚 基之[診断・治療全般]

岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)岡山県南西部(笠岡)総合診療医学講座
准教授 堀口 繁 [診断・治療全般]

岡山大学病院 光学医療診療部
講師 松本 和幸 [内視鏡治療関連]

岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)消化器・肝臓内科学
助教 河野 吉泰[診断・治療全般(消化管)]

岡山大学学術研究院医歯薬学域(医) 陽子線治療学講座
講師 吉尾 浩太郎 [放射線治療]

(電話番号)086-223-7151(代表)

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