国立大学法人 岡山大学

LANGUAGE
ENGLISHCHINESE
MENU

医療的ケア児に対する岡山県内手技統一のための手順書を初めて作成

2024年09月26日

◆発表のポイント

  • 医療的ケア児とは在宅で医療的ケアを日常的に行いながら生活している児童です。
  • 医療的ケアにはさまざまなものがありますが、これまでは病院や施設ごとにやり方が違う場合があり、ご家族が戸惑う場面がありました。
  • 今回、手技の統一のための手順書(パンフレット)を作成したことで、医療的ケア児とそのご家族が安心して多くの施設を利用できるようになることが期待されます。

 岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)小児急性疾患学講座の鷲尾洋介教授は、医療的ケア児に対する痰の吸引や経管栄養などの手技を岡山県内で統一するための手順書(パンフレット)を初めて作成しました。2021年に「医療的ケア児およびその家族に対する支援に関する法律」が施行され、医療的ケア児を取り巻く環境は少しずつ変化してきていますが、まだまだ十分なサポートがなされているとは言えないのが現状です。また、医療的ケア児は成長に伴いさまざまな医療機関に加えて教育施設や福祉施設を利用する必要性が生じますが、これまでは各機関や施設ごとに医療的ケア児に対して行う医療的ケアの手順には岡山県内で統一したものがありませんでした。
 鷲尾教授は、医療的ケアの標準的な方法が標準化されれば、これらの問題を改善することにつながっていくのではと考え、県内の関係医療機関と協力して医療的ケア児に対する医療的ケアの手順書を作成しました。手順書には、痰の吸引、経管栄養などの医療行為や日常生活での注意点がまとめられており、岡山県医療的ケア児支援センターのウェブサイトで9月末に公開されます。
 この手順書が広く周知されることにより、医療的ケア児を取り巻く環境が少しでも改善していくことを願っています。

◆研究者からひとこと

医療的ケア児を取り巻く環境はまだまだ厳しく、課題は山積ですが、本手順書が状況を改善させる一歩となることを願っております。少しでも医療的ケア児に注目していただきたいと考えています。関係医療機関の皆さまには予算が十分でない中、ボランティアで尽力していただき、本当に感謝申し上げます。これからも少しずつ活動を重ねていこうと考えておりますのでよろしくお願い申し上げます。
鷲尾 洋介 教授

<詳しい研究内容について>
医療的ケア児に対する岡山県内手技統一のための手順書を初めて作成


<お問い合わせ>
岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)小児急性疾患学講座
教授 鷲尾洋介
(電話番号)086-235-7249

年度