国立大学法人 岡山大学

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長期入院を要する子どもたちに学ぶ機会の充実を!~岡山大学病院小児科とベネッセコーポレーションが共同研究契約を締結~

2025年05月22日

岡 山 大 学
株式会社ベネッセコーポレーション

◆発表のポイント

  • 岡山大学病院小児科と株式会社ベネッセコーポレーションは、長期入院患者に対する教育支援の最適化を目的として共同研究契約を締結しました。
  • 岡山大学病院小児科では、ベネッセが提供する「進研ゼミ」タブレット教材を活用して、長期入院する患児に対する教育機会を拡大するとともに、将来の社会復帰やQOL向上につながる支援体制の構築を目指します。

 岡山大学病院小児科には、長期入院を要する難治の患者さんが多数入院されています。岡山大学病院には院内学級が設置されており、こうした長期入院を要する子どもたちは、学習機会の保障という点では非常に恵まれた環境にありますが、学年や学力、治療状況に応じた個別最適な学習支援、さらに意欲の維持・向上を図る仕組みの構築など、さらなる充実が求められているのが現状です。こうした背景を踏まえ、岡山大学病院小児科は、子どもたちの教育的・社会的ニーズに応えるべく、株式会社ベネッセコーポレーション(本社:岡山市北区)と共同研究契約を締結しました。
 本共同研究では、ベネッセが提供する「進研ゼミ」タブレット教材を用いて、入院中の子どもたちに個別に応じた学習支援を行います。
 今後は教育学部や情報科学分野と連携し、学習支援の中で得られた記録を用いて、学習中の子どもたちの活気や意欲を分析する研究も計画しており、教育支援の最適なタイミングや方法の確立を目指しています。
 この取り組みにより、長期入院を余儀なくされる子どもたちの「学ぶ権利」を守り、将来の社会復帰やQOL向上につながる支援体制の構築が期待されます。

◆研究者からひとこと
・学術研究院医療開発領域(岡山大学病院)小児血液・腫瘍科 助教 石田 悠志

普段は小児がんの患者さんを診療しています。この共同研究は、医療と教育、そしてテクノロジーが連携し、長期入院を余儀なくされる子どもたちの学びと成長を支える新たな仕組みを構築する重要な一歩です。長期入院中でも、学ぶ意欲を保ち、自分らしさを失わずにいられる環境づくりを目指しています。
石田 助教

・株式会社ベネッセコーポレーション 塾・教室カンパニー 担当 後藤 渉

ベネッセの企業理念『よく生きる』のもと、学びを通じて、子どもたち一人ひとりが持つ多様な可能性を広げられる環境を提供する取り組みをしています。この共同研究に参画し、長期入院を余儀なくされている子どもたちの気持ちを大切に、個別最適な学習の機会をご提供すると共に、これまで医療側にかかっていた負担の改善にも寄与できる取り組みとしたいと考えています。
後藤 渉

・学術研究院医歯薬学域(医) 小児医科学 教授 塚原 宏一

岡山大学病院小児科では、病気の治療と同じくらい、子どもたちの“今”の生活を大切にすることを重視しています。今回の取り組みによって、長期入院中の子どもたちが学びを通して自分の可能性を育み、それを実現させられる環境を提供できることを嬉しく思います。教育支援を通じて、医療と社会をつなぐ新しい価値を生み出したいと考えています。
塚原 教授

・学術研究院医療開発領域(岡山大学病院) 小児科 助教 鷲尾 佳奈

日々診療の中で、子どもたちが“勉強したい”“みんなと同じように学校に行きたい”という思いを抱いていることを実感しています。この研究は、そうした子どもたちの声に寄り添うものです。病気と向き合いながらも、自分のペースで学び続けられる環境があることは、子どもたちにとって大きな支えになります。医療者としても、教育という視点を大切にした診療を心がけていきたいです。
鷲尾 助教

<詳しい研究内容について>
長期入院を要する子どもたちに学ぶ機会の充実を!~岡山大学病院小児科とベネッセコーポレーションが共同研究契約を締結~


<お問い合わせ>
岡山大学学術研究院医療開発領域(岡山大学病院)
小児血液・腫瘍科 助教  石田 悠志
(電話番号)086-235-7249  (FAX)086-221-4745

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