歯科医療における医療安全を体系的に解説 書籍「知っておきたい歯科における医療安全対策」を出版
2026年02月19日
◆発表のポイント
- 医科に比べて安全文化の整備が遅れてきた歯科医療の医療安全上の課題を整理し、病院内で実際に発生した歯科インシデント事例を詳しく解説した書籍を出版しました。
- 医科・歯科間の認識の齟齬を埋め、医師、歯科医師、看護師、薬剤師など多職種が歯科インシデントを理解・共有できる共通基盤を提供することを目的としています。
岡山大学および岡山大学病院の教員・医師が監修・編集し『知っておきたい歯科における医療安全対策―大学病院での医科・歯科双方の観点から―』(デンタルダイヤモンド社)を出版しました。本書は、前田嘉信岡山大学病院長、塚原宏一学術研究院医歯薬学域教授、窪木拓男学術研究院医歯薬学域教授が監修し、白井肇学術研究院医療開発領域講師、飯田征二学術研究院医歯薬学域教授が編集を務めました。
医療安全においては、患者の安全を最優先に考える「安全文化」を医療現場に根付かせることが重要とされています。しかし、歯科医療分野では医科に比べて医療安全の体系化や事例共有が十分に進んでおらず、病院内においても歯科特有のインシデントに対する理解不足や認識のずれが課題となってきました。
本書は、歯科インシデントを「医療行為の中の歯科」として位置づけ、歯科医師だけでなく医師、看護師、薬剤師など多職種の視点から解説している点に大きな特徴があります。内容は、岡山大学病院内における歯科の医療安全活動の実践と知見を基に、成書としてまとめられました。
高齢化の進行や訪問歯科診療の拡大により、歯科医療の安全確保は今後さらに重要となります。本書は、病院の医療安全管理や地域歯科医療の現場における相互理解を促進し、歯科における安全文化の醸成に貢献することが期待されます。また、一般歯科診療所や訪問歯科の現場でも活用され、より安全で質の高い歯科医療の実現につながることを目指します。
岡山大学病院では医療安全管理部を中心に、歯科医療に関わるすべての人が安全を共有する社会の実現に寄与します。そして、国民が安心して歯科医療を受けられる基盤づくりにつながるよう、今後も歯科の医療安全の発展に貢献してまいります。
◆研究者からひとこと
| 歯科の医療安全は、「何となくこうしている」が多く、改めて説明しようとすると意外と難しい分野です。私自身、医療安全の現場で歯科の話をすると、「そんなリスクがあるんですね」と驚かれることを何度も経験してきました。この本は、そうしたズレを少しでも埋めたいという気持ちからまとめたものです。歯科の中の人にも、外から関わる人にも、気軽に読んでもらえたらうれしいです。 | ![]() 白井講師(歯科医師GRM) |
■書籍情報
書 名:知っておきたい歯科における医療安全対策―大学病院での医科・歯科双方の観点から―
出 版 社:デンタルダイヤモンド社
監 修:前田嘉信、塚原宏一、窪木拓男
編 集:白井肇、飯田征二
I S B N:978-4-88510-634-7
U R L:https://dental-diamond.co.jp/
<詳しい内容について>
歯科医療における医療安全を体系的に解説 書籍「知っておきたい歯科における医療安全対策」を出版
<お問い合わせ>
岡山大学学術研究院医療開発領域
(岡山大学病院 歯科-総合歯科部門)
講師 白井 肇(医療安全管理部 歯科医師GRM)
(電話番号)086-235-6751
