国立大学法人 岡山大学

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国内先駆けの「コロナ・アフターケア外来」開設から5年~診療実績から見えてきたコロナ後遺症の課題と予後~

2026年02月18日

◆発表のポイント

  • 5年間で約1,300人を診療:これまでの対面診療の経験から、症状の多様性や感染した変異株による症状の変化、後遺症のリスク因子や予後など、コロナ後遺症の実態が明らかになってきました。
  • 多角的な研究成果の還元:筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)・体位性頻脈症候群(POTS)との関連性、酸化ストレス指標を用いた病態の可視化など、実臨床の視点で研究しました。
  • 診療と研究で地域を支える:単一臓器では説明できない複雑な症状に対し、総合診療医の視点と、様々な専門領域と連携した診療・研究によって、地域で支える医療モデルの構築を進めています。

 岡山大学病院総合内科・総合診療科(学術研究院医歯薬学域・大塚文男教授)が、2021年2月15日に国内の総合病院として全国で2番目に開設した「コロナ・アフターケア外来」は、今年で開設5年を迎えました。当時は新型コロナウイルス感染症の急性期流行の最中であり、後遺症の全体像は不透明で、診療現場も手探りの状況でした。この間、本外来では診療チームで約1300人の患者さんの診療にあたり、臨床データの蓄積と病態解明に向けた研究を並行して進めました。開設から5年が経過した現在までの症例の蓄積を通じて、症状の特徴や経過、治療の方向性などについて一定の知見が得られてきましたが、長期化するケースも見られるため、県外の後遺症診療施設とも診療ネットワークを通じた情報交換を継続しています。今回、開設5年を節目として、これまでの診療実績と5年間で見えてきたコロナ後遺症の実像を取りまとめました。

◆研究者からひとこと

この5年間、私たちは一貫して対面診療を重視してきました。当初、診察室で耳にしたのは、体調不良だけでなく、職場や学校、さらには家族からも理解されないという“孤立感”です。コロナ後遺症は、特定の臓器障害だけでは説明がつかない症状が多く、身体的要因に加えて心理的・社会的要因が複雑に絡み合っています。患者さんの訴えに丁寧に耳を傾け、全体像を把握しながら支援する姿勢が何より重要だと実感しました。『治す』ことだけを目指すのではなく、患者さんの苦悩に向き合い、研究成果を還元しながら共に歩む、この『伴走』の姿勢こそが、患者さんが取り残されないための医療の本質であると感じています。
大塚 教授


<詳しい内容について>
国内先駆けの「コロナ・アフターケア外来」開設から5年~診療実績から見えてきたコロナ後遺症の課題と予後~

<お問い合わせ>
岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)総合内科学
教授 大塚 文男
(電話番号)086-235-7342

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