岡山大学
大阪公立大学
◆発表のポイント
- アルコールの工業的需要は高まり続けており、安価な出発原料から目的のアルコールを効率 よく合成する手法の開発が求められています。
- アルケンと水から直接目的のアルコールが得られれば魅力的ですが、その実現には新たなア ルケンの活性化法が必要でした。
- 本研究では安価な金属である銅と光エネルギーを活用して、クリーンな水和反応の開発に成功しました。
岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域(工)の奥直樹助教(特任)、山崎賢助教、三浦智 也教授、同大学院環境生命自然科学研究科の福家啓仁大学院生(当時)、桝井里花子大学院生ら の研究グループは、大阪公立大学大学院工学研究科の松井康哲准教授、池田浩教授らの研究グル ープと合同で、光エネルギーを活用して、アルケンと水からアルコールを合成する新たな手法 の開発に成功しました。
アルコールの工業的需要は高まり続けており、その簡便で経済的な合成手法の開発が求めら れています。安価で入手容易なアルケンと水から、目的のアルコールを直接合成できれば魅力的 な化学変換ですが、その実現には反応性の低いアルケンを活性化する新たな手法の開発が必要 でした。本研究では、安価な金属である銅が、アルケンを活性化する強力な光触媒として働くこ とを初めて明らかにしました。
これらの研究成果は 2026 年 2 月 21 日、英国の総合学術誌「Nature Communications」に掲載さ れました。今後は、銅を光触媒として用いて、光エネルギーを活用したクリーンな分子変換技術 の開発が一層加速すると期待されます。
◆研究者からひとこと
| この研究の原型は、私が修士課程の学生 だった頃の発見です。共同研究者の皆さ まのおかげで、約 7 年の時を経て形にす ることができました。感無量です。(奥) | ![]() 奥助教(特任) | ![]() 桝井大学院生 | ![]() 三浦教授 |
■論文情報
論 文 名:Photooxidative Copper(II) Catalysis for Promoting anti-Markovnikov Hydration of Alkenes
掲 載 誌:Nature Communications
著 者:Naoki Oku, Keito Fuke, Rikako Masui, Ken Yamazaki, Yasunori Matsui, Hiroshi Ikeda, and Tomoya Miura
D O I:10.1038/s41467-026-69807-0
U R L:https://www.nature.com/articles/s41467-026-69807-0
■研究資金
本研究は、以下の助成[JSPS 科研費(22H05368, 24H01083, 22K19032, 25K01769, 22H05377, 24H01092, 24H01861, 24K17682)、JSPS 地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)(JPJS00420230010)、前川報恩会学術研究助成(A3-24006)、 岩谷直治記念財団岩谷科学技術研究助 成、高橋産業経済研究財団研究助成]を受けて実施しました。
また、本論文は岡山大学「インパクトの高い国際的な学術雑誌への APC 支援」を受けています。
<詳しい研究内容について>
アルケンと水からアルコールを合成 銅と光を用いたクリーンな合成手法の開発に成功
<お問い合わせ>
(研究に関すること)
岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域(工) 教授 三浦 智也
(報道に関すること)
岡山大学 総務部 広報課
(電話番号)086-251-7292
大阪公立大学 広報課
(電話番号)06-6967-1834


