国立大学法人 岡山大学

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地球内部660kmの境界形成はガーネットが支配していた

2026年06月11日

岡山大学
学習院大学

◆発表のポイント

  • 地球マントル660 km不連続面の成因を、ガーネットの原子配列が圧力・温度変化によって別の構造へと変化する高圧相転移が主導する「連動反応」として初めて実証しました。
  • ガーネットの相転移が660 km不連続面周辺の鉱物組み合わせに影響を与え、深さ660 kmの地震学的構造を一貫して説明できることを示しました。
  • この結果は、マントルが“異なる岩石の寄せ集め”ではなく、均質なパイロライト組成であることを支持します。

 岡山大学惑星物質研究所の石井貴之准教授と学習院大学の糀谷浩教授、赤荻正樹名誉教授らの共同研究チームは、高温高圧実験により、マントル主要鉱物ガーネットの相転移が、660 km不連続面の形成を支配していることを明らかにしました。この研究成果は5月25日、英国の地球科学雑誌「Nature Communications」の論文として掲載されました。
 地球内部の深さ660 km付近には、地震波速度が急変する「660 km不連続面」があります。従来は、主要鉱物リングウッダイトの分解(ポストスピネル転移)が原因と考えられてきましたが、観測される660 km不連続面の複雑な凹凸構造を十分に説明できませんでした。本研究では、マントルで2番目に多いガーネットに着目し、リングウッダイトとガーネットが共存するより現実的な条件で実験を行いました。その結果、ガーネットの相転移が先に起こり、その反応がリングウッダイトの分解を誘発する「連動反応」であることを発見しました。ガーネットの存在を考慮することにより、冷たい沈み込み帯、温かいホットプリューム、平均的なマントル温度のいずれでも、観測される660 km不連続面の凹凸を一貫して説明できることが明らかになりました。

◆研究者からひとこと

今回の成果は、学生時代から抱いていた疑問に15年間取り組んできた研究の集大成です。長い年月をかけて積み上げてきたものが形になり、大きな達成感があります。この間に、地球深部科学は大きく発展し、当時はその重要性を過小評価していた疑問が今では重要なテーマとして注目されるようになりました。「科学は常に前進し、積み重ね、挑戦し続けるほど新しい景色が見えてくる」、それが研究の醍醐味だと感じています。学生や若い研究者の皆さんには、ぜひ“自分の疑問”を大切にしてほしいです。小さな疑問でも向き合い続ければ、世界の見方を変える発見につながることがあります。
石井准教授

■論文情報
論 文 名:Role of garnet shaping the 660-km seismic discontinuity
掲 載 誌:Nature Communications
著  者:Takayuki Ishii, Hiroshi Kojitani, Masaki Akaogi
D O I:10.1038/s41467-026-73717-6
U R L:https://www.nature.com/articles/s41467-026-73717-6

<詳しい研究内容について>
地球内部660kmの境界形成はガーネットが支配していた


<お問い合わせ>
岡山大学 学術研究院先鋭研究領域(惑星物質研究所)
准教授 石井貴之
(電話番号)0858-43-3754(FAX)0858-43-2184

 学習院大学 理学部化学科/大学院自然科学研究科
 教授 糀谷浩
(電話番号)03-5904-9377(FAX)03-5992-1029

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