国立大学法人 岡山大学

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がんは高齢者だけの病気ではない―若い人にも起こる“くちのがん”― AYA世代に特有の特徴と予後を左右する指標を解明 ―

2026年08月06日

◆発表のポイント

  • 思春期/若年成人(AYA世代:15~39歳)の口腔癌の症例を多施設共同で収集、調査した結果、AYA世代の早期の口腔がんは高齢者とは異なる特徴を持つことを解明しました。
  • AYA世代口腔癌では舌に好発し、白板症様に広がる表在型が多いことを明らかにしました。
  • 腫瘍の深さ(DOI)がリンパ節転移や患者予後を予測する重要な指標であることを示しました。

 岡山大学学術研究院医歯薬学域の小野早和子助教は、大阪大学・大阪歯科大学・香川大学・長崎大学・新潟大学・日本歯科大学・藤田医科大学・松本歯科大学との多施設共同研究により、思春期・若年成人(AYA:15~39歳)世代に発症する早期口腔扁平上皮癌の臨床病理学的特徴と予後予測因子を解明しました。口腔扁平上皮癌は主に高齢者に発症する病気ですが、近年、AYA世代での発症とその増加も報告されています。しかし、AYA世代では発症頻度が低く、特に早期がんにおける特徴や予後に関する十分な知見はありませんでした。本研究では、各施設からAYA世代の症例を集積し、包括的な解析を行いました。その結果、AYA世代の口腔がんは、舌に発生しやすく、白板症のように粘膜表面を広がる病変が多いことが分かりました。さらに、腫瘍の深さ(DOI)が予後を左右する最も重要な因子であることを明らかにしました。本成果は、2026年7月31日(日本時間)に北米頭頸部病理学会公式科学誌「Head and Neck Pathology」に掲載されました。本研究により、若年者口腔がんへの理解が深まり、早期診断や適切な術後管理、AYA世代に特化した診断・治療戦略の確立、さらには予後の改善につながることが期待されます。

◆研究者からひとこと

口腔がんは高齢者の病気というイメージがありますが、若い世代にも発症することがあります。本研究が、若年患者さんの早期診断や適切な治療方針の決定につながり、将来的には予後の改善に貢献できることを期待しています。
小野助教

■論文情報
論文名:Early-stage Oral Squamous Cell Carcinoma in Adolescents and Young Adults Compared with Older Patients Exhibits Distinct Clinicopathological Features
掲載誌:Head Neck Pathol. 2026 Jul 31;20(1):88.
著者:Sawako Ono, Katsutoshi Hirose, Hotaka Kawai, Tatsuya Abe, Shintaro Sukegawa, Masanori Masui, Chihoko Ikeda, Madoka Isomura, Yuri Tachibana, Junya Ono, Katsumitsu Shimada, Hitoshi Nagatsuka, Hidetaka Yamamoto,
DOI:10.1007/s12105-026-01944-w.
URL:https://link.springer.com/article/10.1007/s12105-026-01944-w

■研究資金
 本研究は、厚生労働科学研究費(24K19859)の支援を受けて実施しました。

<詳しい研究内容について>
がんは高齢者だけの病気ではない―若い人にも起こる“くちのがん”― AYA世代に特有の特徴と予後を左右する指標を解明 ―


<お問い合わせ>
岡山大学学術研究院医歯薬学域
助教 小野 早和子
(電話番号)086-235-7150
(FAX)086-235-7156

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