国立大学法人 岡山大学

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身近な流れで水力発電~魔法の水力振り子

2014年12月18日

 本学大学院環境生命科学研究科の比江島慎二准教授らの研究グループは、水流で振り子を振動させて発電する世界初の水力発電方式を開発。Hydro-VENUSを岡山市内の下水処理場(岡東浄化センター)に設置し、10月8日から発電実験を開始しました。 
本装置はコンパクトで、大規模な土木工事を必要とせず、上下水道施設、農業・工業用水路、自然河川など様々な水路に簡易に設置可能です。今後、岡山市街地を流れる水路など、身近な川に設置して、街灯や電気自動車・電動自転車の充電などに活用する計画です。


 私達の身の回りには、自然河川や水路など、様々な水の流れがあります。水の流れそのものは大きなエネルギーを持っていますが、それらは活用されること無く、海に捨てられています。この水流エネルギーを有効に活用するのが小水力発電ですが、多くの場合、水の落差を利用するため大規模な土木工事を必要としたり、プロペラが水路をふさいでゴミが詰まりやすいなどの難点がありました。
 本学大学院環境生命科学研究科の比江島慎二准教授らの研究グループは、Hydro-VENUS(Hydrokinetic Vortex Energy Utilization System)第1号機を岡東浄化センターに設置し、発電実験を開始しました。Hydro-VENUSは、振り子1本の極めてシンプルな構造で、ゴミが詰まりにくく、落差を必要としないため土木工事が不要。水の流れさえあればどこでも簡易に設置できるのが特徴です。研究グループは、振り子形状の改良により、従来の発電装置より性能を劇的に向上させました。
浄化センターに設置したHydro-VENUS実証機

<今後の展望>
 岡山周辺の多くの水路や河川に設置し、都市河川の有効活用や地域活性化に役立て、都市や農村に眠る水力エネルギーを有効活用していく計画です。今後、大学発ベンチャーHydro-VENUS社を立ち上げ、国内外での普及を目指していきます。本研究グループは、瀬戸内海を流れる潮流などを利用した大規模な海洋発電も開発しています。

<補 足>
Hydro-VENUSの技術は国内で特許(特許第5303686号)を取得し、海外にも出願中です。

報道発表資料はこちらをご覧ください


<お問い合わせ先>
岡山大学大学院環境生命科学研究科(環) 准教授 比江島 慎二
電話/FAX:086-251-8869

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